展覧会「殿さまのスケッチブック」が、東京・目白台の永青文庫にて、2024年4月27日(土)から6月23日(日)まで開催される。
江戸時代の日本では、中国の薬学・博物学である「本草学」の影響を受けて、博物学が発達した。18世紀には博物趣味に熱中する大名が数多く現れており、その先駆者のひとりが、細川家熊本藩の藩主・細川重賢(ほそかわ しげかた)だ。
重賢は、財政の窮乏する熊本藩の藩政改革を進める一方、動物や昆虫、植物などに強く関心を寄せ、採集・飼育した動植物を彩色で写生した博物図譜を作らせた。哺乳類や爬虫類、魚類を記録した《毛介綺煥(もうかいきかん)》、昆虫が幼虫から成虫へと育つ様子を観察した《昆虫胥化図(こんちゅうしょかず)》といった博物図譜には、細かく描かれた多様なスケッチが収録されている。
展覧会「殿さまのスケッチブック」では、細川家伝来の美術工芸品や歴史資料などを擁する永青文庫の所蔵品より、博物図譜を一挙公開。なかでも《毛介綺煥》については、有名な「アサヒガニ」や「ニホンオオカミ」の図を含む裏面を前期に、「ヤマネ」や「アナグマ」の図を含む表面は後期に展示するなど、その全場面を展示する初の機会となる。
令和6年度 初夏展「殿さまのスケッチブック」
会期:2024年4月27日(土)〜6月23日(日) 会期中に一部場面替えあり
[前期 4月27日(土)~5月26日(日) / 後期 5月28日(火)~6月23日(日)]
会場:永青文庫
住所:東京都文京区目白台1-1-1
開館時間:10:00〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日(4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
入館料:一般 1,000円、70歳以上 800円、高校・大学生 500円
※中学生以下、障害者手帳の提示者および介助者1名は無料
【問い合わせ先】
永青文庫
TEL:03-3941-0850