展覧会「日本映画と音楽 1950年代から1960年代の作曲家たち」が、東京・京橋の国立映画アーカイブにて、2024年4月9日(火)から8月23日(金)まで開催される。
日本で映画産業が隆盛した1950〜60年代、映画界はさまざまな芸術分野のエキスパートから協力を得ていた。その例のひとつが、音楽だ。当時、日本の楽壇は多彩で豊富な人材を擁しており、多くの作曲家が映画に携わっている。こうした活動は、映画界の繁栄を力強く支えるばかりでなく、作曲家にとっても、自身の創作意欲を実践に移す貴重な機会となった。
展覧会「日本映画と音楽 1950年代から1960年代の作曲家たち」は、映画黄金期の日本の作曲家に着目する、初の大規模展示。團伊玖磨(だん いくま)や眞鍋理一郎(まなべ りいちろう)、斎藤高順(さいとう たかのぶ)など、日本映画に深く関わった作曲家を取り上げ、貴重な自筆譜や製作資料などを紹介する。
第1章では、日本映画音楽の開拓者に着目。1930年代半ば、映像と音声が同期したトーキー映画が日本で本格化すると、映画における音楽の存在がこれまで以上に注目されることになった。こうしたなか、早坂文雄(はやさか ふみお)といった作曲家は、映画のための音楽に積極的に取り組み、映像と緊密に結びついた音楽表現を切り拓いている。会場では、早坂に加えて、伊福部昭(いふくべ あきら)や斎藤一郎(さいとう いちろう)などにまつわる資料を展示する。
1950〜60年代にかけて、日本の映画界が隆盛するなか、映画界はいっそう多くの音楽家を求めた。戦後、新作を盛んに発表していた作曲家は、こうした映画の仕事にも積極的に携わり、創作意欲に満ちた作品を生みだしている。第2章では、戦後にデビューした新しい世代の作曲家のなかから、團伊玖磨、芥川也寸志、黛敏郎による「3人の会」を筆頭に、武満徹(たけみつ とおる)や林光(はやし ひかる)など、戦後のクラシック音楽の展開とともに映画界と関わりを持った作曲家に光をあてる。
1960年代半ばになると、ポピュラー音楽の台頭を背景に、映画音楽においてもクラシック音楽出身でない作曲家が存在感を示すようになった。また、それ以前にも映画界では、映画を専門とする作曲家、熟練を要する映画の音楽録音に携わる指揮者など、さまざまな音楽家が活躍してきた。第3章では、クラシック音楽にとどまらない多様なバックグラウンドを持ち、映画音楽に関わった人々を取り上げる。
展覧会「日本映画と音楽 1950年代から1960年代の作曲家たち」
会期:2024年4月9日(火)〜8月23日(金)
会場:国立映画アーカイブ 7F 展示室
住所:東京都中央区京橋3-7-6
開館時間:11:00〜18:30(入室は18:00まで)
※4月26日(金)、5月31日(金)、6月28日(金)、7月26日(金)は20:00閉室
※入室はいずれも閉室30分前まで
休室日:月曜日、5月7日(火)〜12日(日)
観覧料:一般 250円(200円)、大学生 130円(60円)
※( )内は20名以上の団体料金
※無料対象:65歳以上、高校生以下・18歳未満、障害者手帳の所持者(付添者は原則1名まで)など
※常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む
※国立映画アーカイブが主催する上映会の観覧券(オンラインチケット「購入確認メール」ないしQRコードのプリントアウト)を提示することで、1回にかぎり団体料金を適用
※5月18日(土)「国際博物館の日」は観覧無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)