5章では、晩年にいたるアフ・クリントの活動に着目。1920年代、水彩の表現を手がけ始めたアフ・クリントは、人智学、宗教や神話にまつわるモチーフを交えつつ、晩年まで水彩制作を続けてゆくことになる。会場で展示されている作品からは、白鳥や人の姿など、水彩による色彩表現とともにさまざまなモチーフを見てとることができるだろう。
さて、制作を続ける一方、アフ・クリントは1920年代半ば以降、自身の思想や表現にまつわる過去のノートを編集、改訂する作業を行うようになる。こうした作業は、アフ・クリントの後半生の活動において重要な位置を占めたようだ。とりわけ、「神殿のための絵画」を収めるための建築物の構想では、制作から15年以上を経てもなお、螺旋状の建築物について記し、内部の作品配置を具体的に検討している。本展の終盤では、アフ・クリントが残したノートなどを通して、厳格な体系性を志向した彼女の仕事に光をあてている。
企画展「ヒルマ・アフ・クリント展」
会期:2025年3月4日(火)〜6月15日(日)
会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(3月31日(月)、5月5日(月・祝)は開館)、5月7日(水)
観覧料:一般 2,300円(2,100円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 700円(500円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※チケットは、東京国立近代美術館、公式オンラインチケット、セブンチケット、チケットぴあ(Pコード 995-227)、ローチケ(Lコード 31389)ほかにて販売
※障害者手帳の提示者および付添者1名は無料
※本展の観覧料で観覧日当日にかぎり、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」(4〜2F)も観覧可
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:050-5541-8600