2009年、世界中のファンに惜しまれながらこの世を去った天才舞踊家ピナ・バウシュ。彼女の遺した不朽の名作と生きた軌跡を、巨匠ヴィム・ヴェンダースが3D映画化。2011年ベルリン国際映画祭で初披露され、世界中の賞賛を浴びたこの作品「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」が、いよいよ日本でも2012年2月25日(土)に公開される。
彼女はバレエと演劇を融合させ舞踏界に全く新しいジャンルを生み出し、世界中の振付家たちを感化。舞台とバレエの双方に多大な影響を及ぼした。「それは、ただの観劇ではない。五感を圧する体験だ──」ピナ・バウシュの舞台を観た人々は衝撃と至福の余韻に浸りながら、そう語る。
ヴェンダースは1985年に初めてピナの作品と出会い、強い衝撃と感銘を受けた。二人はその後20年以上に渡り親交を深め、やがて共同で映画を作る計画が持ち上がった。だが、2009年6月30日にピナが急死。それは半年に及ぶ徹底的な準備を終え3Dのリハーサル撮影をわずか 2日後に控えていた時のことだった。一旦は映画化中止が決定されたが、世界中からの声と遺族の同意、そしてダンサーたちの強い要望に背中を押され、ヴェン ダースは再び映画を撮ることを決意。映画化に際し、歓びとエネルギーに溢れ、自由で生命力に満ちたピナの作品を表現する手法を追及した彼が見つけたのが、空間の広がりを可能にする3Dという手法であった。
本作には、ピナが残した名作「カフェ・ミュラー」、「春の祭典」、「フルムーン」の3作のライブ映像をノーカットで収録。在りし日のピナの貴重な映像と、彼女が率いたヴッパタール舞踊団のダンサーたちからピナへのメッセージが、観る者の胸を打つ。そこには日本人ダンサーの瀬山亜津咲も出演している。
実は、ピナとヴェンダースの二人には、"ファッション"という共通項が存在する。ピナはファッションデザイナーの山本耀司とも親交が深く、ヨウジヤマモトの服を愛し、美しく着こなしていたことでも知られている。1998年には二人のコラボレーションを実現し、山本が舞台衣装を担当した。また、ヴェンダースは山本耀司の仕事を追った『都市とモードのビデオノート』(1989)を制作。2011年春にロンドンのV&A美術館で開催されたヨウジヤマモトの展覧会にも、ピナ・バウシュへのオマージュ作品が展示された(写真左)。
【アーティストプロフィール】
ピナ・バウシュ(1940.7.27~2009.6.30)
ドイツの舞踊家、演出・振付家。演劇とダンスを融合させた「タンツテアター」の生みの親であり、独自のジャンルを切り開き世界の舞台芸術に影響を与えた。高松宮殿下記念世界文化賞、ゲーテ賞など受賞多数。
【作品情報】
Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち
監督・脚本・製作:ヴィム・ヴェンダース『パリ、テキサス』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
出演:ピナ・バウシュ、ヴッパタール舞踊団ダンサー
音楽:トム・ハンレンシュー『ランド・オブ・プレンティ』『パレルモ・シューティング』
原題:PINA/104分/ドイツ、フランス、イギリス映画/カラー/ヴィスタ/SRD
日本公開日:2012年2月25日(土)
URL: http://pina.gaga.ne.jp
【試写会詳細】
日時:2012年2月15日(水)18:30開場/19:00開映
場所:日本シネアーツ試写室
住所:東京都新宿区市ヶ谷本村町2-5 地下1階(受付9階)
地図:http://www.cinearts.co.jp/image/NCA_Map.jpg
【試写会応募】
ご招待人数:5組10名様
応募〆切:2月8日(水)18:00
応募URL:www.facebook.com/FashionPress.net?sk=app_344548265570546