特別展「琳派 ―俵屋宗達から田中一光へ―」が、東京・広尾の山種美術館にて開催される。会期は2018年5月12日(土)から7月8日(日)まで。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一を中心に花開いた琳派。その伝統は、近代・現代の日本画家やデザイナーにも受け継がれている。特別展「琳派 ―俵屋宗達から田中一光へ―」では、酒井抱一の没後190年、弟子である鈴木其一の没後160年を記念し、琳派の大御所による名作から、その造形を受け継いだ近代・現代の日本画家やグラフィックデザイナーによる作品まで約60点を展示。琳派とその継承のあり方に迫る。
17世紀に京都で活躍した俵屋宗達は、やまと絵の様式にデフォルメやトリミングといった斬新なアレンジを加え、装飾性と意匠性に富んだ独自のスタイルを確立。こうした造形は、18世紀に尾形光琳へ、19世紀に酒井抱一へ受け継がれ、江戸琳派の様式を確立することとなる。
会場にはこのように琳派を根付かせていった大御所たちの作品を展示。山種美術館が所蔵する琳派コレクションを中心に、修復後初披露となる伝 俵屋宗達《槙楓図》(山種美術館)、尾形光琳《白楽天図》(個人蔵)、重要美術品に指定されている酒井抱一《秋草鶉図》(山種美術館)、鈴木其一《四季花鳥図》(山種美術館)などが集結する。
また、加山又造《華扇屏風》(山種美術館)、福田平八郎《芥子花》(山種美術館)、速水御舟《翠苔緑芝》(山種美術館)など、琳派に影響を受けた名だたる日本画家たちの作品を並べることで、装飾性や平面性といった琳派の造形を彼らがいかに捉え、自身の画風に取り入れていったのかを探る。
俵屋宗達が下絵を描き、本阿弥光悦が書を記した《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》も展示。平安時代の料紙装飾をモデルにしたこの一連の作品は、書と絵が見事に融合しており、現代のグラフィックデザインに通じる感性を見てとることができる。
この俵屋宗達・本阿弥光悦の作品と、琳派のエッセンスを随所に散りばめた作品を数多く発表したグラフィックデザイナー・田中一光のポスターを合わせて展示し、20世紀へと受け継がれた琳派の魅力に迫る。
【詳細】
特別展「琳派 ―俵屋宗達から田中一光へ―」
会期:2018年5月12日(土)~7月8日(日) ※月曜休館。
※会期中、一部展示替えあり。前期:5月12日(土)~6月3日(日)、後期:6月5日(火)~7月8日(日)。
会場:山種美術館(東京都渋谷区広尾3-12-36)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般1200円(1000円)・大高生900円(800円)・中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金、および前売り料金。
※障がい者手帳、被爆者健康手帳の提示者、およびその介助者1名は無料。
リピーター割引:本展使用済入場券(有料)の提出で、会期中入館料が団体割引料金(1名1枚につき1回限り有効)。
きもの・ゆかた割引:会期中、きもの・ゆかたで来館すると団体割引料金。
※複数の割引の併用不可。
【問い合わせ先】
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TEL:03-5777-8600(電話受付時間:8:00~22:00)