展覧会「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」が、あべのハルカス美術館にて開催される。会期は、2019年1月26日(土)から4月14日(日)まで。
「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」は、近年、注目度が高まってきた明治工芸にフォーカスを当てた展覧会。全国6都市を巡回し話題を呼んだ展覧会「超絶技巧!明治工芸の枠」の続編だ。
明治時代、主に輸出品として製作された明治工芸。その繊細で華美な壺や箪笥などの工芸品は、当時の日本の職人たちの技術が詰めこまれている。思わず目を凝らしたくなる細かな作りや華やかな装飾は、まさに”超絶技巧”。見応えたっぷりの展示内容となっている。
会場では、2人の“ナミカワ”の作品を紹介。明治期を代表する七宝家の1人、並河靖之の作品は有線七宝。艶やかな表面に描かれた繊細で洗練された模様が施され、まるで絵画作品を見ているよう。色とりどりの花々や蝶は、金に輝く輪郭線によって縁取られ、より一層色彩の美しさを引き立てる。
一方、もう1人の“ナミカワ”、濤川惣助の作品は対照的に色同士の境界線が曖昧。色の境目を区切る金属線を釉薬(ゆうやく)をさした後で取り除くという手法をとって「にじみ」や「ぼかし」の視覚効果を生み出す無線七宝を得意とする。
七宝以外にも、漆工・牙彫・木彫、陶磁、染織、水墨など日本人ならではのものづくりに対するDNAが引き継がれたウィットに富んだ作品を揃える。特に、2014年の「驚異の超絶技巧!明治工芸の粋」展をきっかけに注目されるようになった安藤緑山の象牙彫刻は必見。
牙彫は、野菜や果物、動植物などを主題に、象牙に精緻な彫刻を施し、入念な着色を加えてまるで本物のような作品をつくるもの。安藤の《胡瓜》や《パイナップル、バナナ》などの作品はまるで本物のようで、展示室でもひときわ異彩を放っている。
驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ
会期:2019年1月26日(土)~4月14日(日) ※会期中、一部展示替えを行う。
開館時間:火~金 10:00~20:00、月土日祝 10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:1月28日、2月18日、3月4日、3月18日の各月曜日
観覧料:一般 1,300(1,100)円、大学・高校生 900(700)円、中学・小学生500(300)円
※料金はすべて税込み。
※( )内は前売・団体料金。
※障がい者手帳を提示で本人と付添1人まで当日料金の半額。
※本展観覧券(半券可)の提示で、特別展「フェルメール展」の当日券を100円引きで購入可能。(1枚につき1人1回限り有効。ほかの割引券との併用不可。)
【問い合わせ先】
あべのハルカス美術館
TEL:06-4399-9050