企画展「奥原晴湖と近代の南画」が、茨城県天心記念五浦美術館にて、2025年2月21日(金)から4月20日(日)まで開催される。
江戸時代中期から明治時代初期にかけて隆盛した「南画」は、中国の文人画をルーツとし、山水や花鳥に漢詩を添えて理想郷を描いた絵画だ。企画展「奥原晴湖と近代の南画」では、茨城出身の南画家・奥原晴湖(おくはら せいこ)をはじめ、近代の南画家による作品を紹介する。
天保8年(1837年)に生まれ、29歳で江戸に出た奥原晴湖は、やがて明治維新後の東京で活動、大胆で奔放な筆致の水墨山で名声を博している。その後、明治24年(1891年)には埼玉・熊谷へ隠棲。東京時代とは対照的に、精緻かつ細密な彩色山水画を晩年まで手がけた。
晴湖を特集する展示としては、茨城県内で15年ぶりとなる本展では、東京・熊谷の両時期における晴湖の作品を公開。《富貴飛燕、芙蓉翡翠》、《山水図》、《秋景山水図》、《威震八荒図》といった作品を目にすることができる。
また、晴湖と同時代に活躍した南画家の作品も。田能村直入(たのむら ちょくにゅう)、渡辺小華(わたなべ しょうか)、松林桂月(まつばやし けいげつ)らの作品に加えて、常陸大宮市出身の野澤白華(のざわ はっか)、常総市出身の猪瀬東寧(いのせ とうねい)など、茨城ゆかりの南画家による作品も展示する。
さらに、大正時代における新たな南画の動きにも着目。この時代には、西欧の近代絵画の影響を受けた画家たちにより、より自由な画題や様式で詩的感情を描く「新南画」が生まれることになった。会場では、小川芋銭(おがわ うせん)の《桃花源》など、新南画の作家による作品も紹介する。
企画展「奥原晴湖と近代の南画」
会期:2025年2月21日(金)~4月20日(日) 会期中に一部展示替えあり
[前期 2月21日(金)~3月23日(日) / 後期 3月25日(火)~4月20日(日)]
会場:茨城県天心記念五浦美術館 展示室A
住所:茨城県北茨城市大津町椿2083
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(2月24日(月・振)は開館)、2月25日(火)
観覧料:一般 360円(290円)、満70歳以上 180円(140円)、高校生 240円(170円)、小・中学生 170円(110円)
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、指定難病特定医療費受給者証などの持参者および付添者1名は無料
※3月1日(土)は満70歳以上無料
※春休み期間を除く土曜日は高校生以下無料
【問い合わせ先】
茨城県天心記念五浦美術館
TEL:0293-46-5311