「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展が、2019年2月6日(水)から3月31日(日)まで、東京・六本木のサントリー美術館にて開催される。
「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展では、狩野派絵師として活躍した画家・河鍋暁斎の作品を紹介し、その活動の軌跡に迫る。
河鍋暁斎は、浮世絵師・歌川国芳のもとで絵を学びはじめ、駿河台狩野派の前村洞和や、狩野洞白陳信にも入門。独立後は、浮世の戯れを描いた遊宴図や、世の中を逆手にとった風刺画といった戯画で人気を博した。
1870年、書画会で描いた作品が貴顕を嘲弄したなどとして投獄されて以降、「暁斎」の号を名乗るようになる。投獄されることとなった筆禍事件や、明治政府を茶化したような風刺画から、河鍋暁斎は“反骨的”な人物として認知されるようになるが、作品や行動の根底にあったのは明治政府への反発ではなく、あくまでも慣れ親しんだ江戸文化への思慕であったと考えられている。
また、戯画だけでなく、着色と水墨という2つの表現を使いこなすことで、仏画・花鳥画・美人画など、多彩なジャンルの作品を残しており、表現の幅広さが窺える。水墨技術を投影した《枯木寒鴉図》、緻密な描写と鮮やかな彩色を駆使した着色画の《花鳥図》など、その画力の高さを感じさせる作品を揃える。
さらに、古画に学ぶことで生み出された作品にも注目したい。暁斎自身が挿絵を描いた伝記『暁斎画談』には、宋元の名家や、雪舟などの中世絵画、元信や探幽などの歴代狩野派絵師、土佐派、円山派、尾形光琳、谷文晁、鈴木春信や喜多川歌麿らの浮世絵といった、先人たちの作品の模写が多数掲載されており、過去の作品研究の痕跡が見て取れる。会場では、暁斎画の原本となった作品との比較を交えながら、古画をいかにして自身の表現へと昇華させていったのかを考察する。
「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展
会期:2019年2月6日(水)~3月31日(日)
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
開館時間:10:00~18:00
※金・土および2月10日(日)、3月20日(水)は20:00まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(ただし3月26日は18:00まで開館)
入館料:一般 1,300円、大学・高校生 1,000円、中学生以下無料
※20名以上の団体は100円割引
前売:一般 1,100円、大学・高校生 800円
サントリー美術館受付、サントリー美術館公式オンラインチケット、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンチケット、イープラスにて取扱(各種プレイガイドは一般のみ販売)
※前売券の販売は11月28日(水)~2019年2月5日(火)
※サントリー美術館受付での販売(一般、大学・高校生)は11月28日(水)~2019年1月20日(日)の開館日
※ウェブサイト限定割引券提示/携帯サイトの割引券画面提示/国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で100円割引
※割引適用は1種類まで(他の割引との併用不可)
※会期中展示替えあり
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