「瀬戸内国際芸術祭2019」が、香川の直島をはじめとする瀬戸内海の島で、2019年4月26日(金)から11月4日(月)まで開催される。
「瀬戸内国際芸術祭」は、“海の復権”をテーマに掲げ、3年に1回瀬戸内エリアで行われる国際的な芸術の祭典。豊かな資源を持ち、盛んに交流が行われた瀬戸内海が近代以降、高齢化・人口減少などによって活力を低下させたことを受け、瀬戸内海が活力のある“希望の海”となることを目指して2010年にスタート。2019年の開催で、4回目となる。
イベント会場となるのは、直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島といった瀬戸内海に浮かぶ島の数々。香川・高松港や宇野港周辺にもパブリックアートなどが設置されており、エリア全体でアートな雰囲気を盛り上げる。
美術館やアート関連施設が集まり、現代アートの聖地として注目を集める直島では、建築家・安藤忠雄が手掛けた「地中美術館」をはじめ、「李禹煥美術館」、「ベネッセハウスミュージアム」、直島銭湯「I♥湯」といったアート関連施設を展開。
「地中美術館」では、クロード・モネが手掛けた最晩年の「睡蓮」シリーズ5点を自然光のみで鑑賞する空間や、ジェームズ・タレルの光を使ったアート作品を楽しむことができる。
直島・宮浦港緑地にそびえる草間彌生の「赤かぼちゃ」や、藤本壮介の「直島パヴィリオン」、安藤忠雄が約130本の桜の木を植樹した「桜の迷宮」といった、直島そのものの雰囲気を生かした作品にも注目したい。
また、5月には「直島建築ツアー」が行われ、通常見ることのできない施設を特別公開。夏会期には、越智良江が直島及び近隣から公募で集まった小学生を率いて行う新作パフォーマンス「僕らが生まれる7日間の舟歌(バルカロール)」が行われる。
豊島では、「豊島美術館」、横尾忠則がアートやコンセプトを手掛けた「豊島横尾館」、クリスチャン・ ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」といった独特の世界観を堪能できるアートスポットを展開。また、周囲の海で魚を捕り、調理し、食べ、またその⽣ごみが堆肥となり果樹を育てるという島の循環のシステムを可視化した垣内光司の「Circulation・Landscape」や、遊具にとらわれない自由な遊びを促す、井筒耕平/会田大也の「コロガル公園in豊島」が今回より新たに登場する。
女木島では、「『島の中の小さなお店』プロジェクト」を展開。島に住む人にとって便利で、外から来る人にとって特色あるスポットとなるような、個性的な「小さなお店」の作品が登場する。レアンドロ・エルリッヒの「ランドリー」では、洗濯物が回転している映像を流した洗濯機を一面に置き、もう一方の面に本物の洗濯機と乾燥機を設置。同じ空間に虚構と現実を混在させ、見る者を惑わせる大胆な発想の作品だ。
2019年4月30日(火)には、「ISLAND THEATRE MEGI 『女木島名画座』」で名画の上映会を開催。映画鑑賞・島内作品のナイトプログラム鑑賞・上映作品にまつわるディナーを楽しみ、チャーター船で高松に帰ってくるツアー型上映会となっている。