監督を降板したダニー・ボイルに代わってメガホンを取るのは、日系アメリカ人のキャリー・フクナガ。アフリカの内戦を題材に、悲惨な状況を生き延びる少年を描いた映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』、エマ・ストーンとジョナ・ヒルが主演を務めたNetflixのダークコメディドラマ『マニアック』などを手がけた同氏が、名だたる監督候補たちをおさえて新監督に抜擢された。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の製作は、これまで「007」シリーズを牽引してきたバーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソンらが引き続き担当。
バーバラは「ジャマイカは、原作者であるイアン・フレミングが物語の執筆の拠点とし、“ジェームズ・ボンド”を生み出した場でもあるので、007にとっては聖地と言えます。記念すべき25作品目で、ここへ戻ってくることができて私たちは特別な想いです。前作で英国諜報員を卒業したボンドは、最新作ではここジャマイカの豪華なおうちでリラックスしているの。そこから物語がスタートしていくのよ」と、最新作のストーリーのヒントを明かしている。
作中ではトム フォード(TOM FORD)とコスチュームデザイナーのスティラット・アン・ラーラーブが綿密に連携して製作した衣装の数々にも注目したい。
今回、トム フォードが関わったのは、ジェームズ・ボンドが身に着けるイブニングウェア、スーツ、シャツ、シルクアクセサリー、デニムといった幅広いアイテム。すべてメイド トゥ メジャーによるオーダーメイドで提供している。
さらに、ラシャーナ・リンチ演じる新たな女性キャラクター・ノーミのテーラーメイドジャケット、トップス、アクセサリー、アイウェアなども手掛けた。これらはすべてイタリアで手仕上げされたものだ。
今回の衣装提供に関してトム フォードのCEO兼クリエイティブディレクターであるトム・フォードは、「ダニエル・クレイグ演じるジェームス・ボンドに衣装を再び提供できることは、私にとって幸福の極みです。ジェームズ・ボンドは彼のエレガンス・スタイル、そしてラグジュアリーを愛する彼自身は“TOM FORD MEN"を象徴しています。」と話している。
007シリーズで話題となる主題歌。最近の作品では、スカイフォールでアデル、スペクターでサム・スミスが手掛けてきた。そして『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌を担当するのはビリー・アイリッシュで、シリーズ史上最年少で提供する。主題歌「NO TIME TO DIE」は第63回グラミー賞にて最優秀映像作品楽曲賞を受賞した。また、第79回ゴールデン・グローブ賞 歌曲賞も受賞。
彼女は、次のように話している。
「過去の作品、例えば『007/ゴールドフィンガー』や『007/死ぬのは奴らだ』ほどの音楽と映画の象徴的な組み合わせはありません。 このような伝説的なシリーズ映画に関わらせていただき、とってもとっても幸運だと感じています。」
劇中音楽を手掛けたのは巨匠ハンス・ジマー。スタッフも豪華な布陣となっており、ザ・スミスの元メンバーであるジョニー・マーや、2019年にジマーと共に実写版『ライオン・キング』を担当したスティーヴ・マッツアーロが作曲で参加した。劇中音楽と主題歌を収録したオリジナル・サウンドトラックは、10月1日(金)に発売される。
日本語吹替版声優は、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンド役を『007/カジノ・ロワイヤル』から5作連続で担当してきた藤真秀が続投。マドレーヌ・スワン役も、園崎未恵が引き続き担当する。その他、中井和哉、斎賀みつき、山路和弘、浪川大輔、水樹奈々、多田野曜平らが集結した。
「007」シリーズ史上初、4D・ScreenXでの上映も。空に陸に海に、ダイナミックに繰り広げられるスパイ・アクションを、臨場感たっぷりに楽しむことができる。
ボンドは 00 エージェントを退き、ジャマイカで静かに暮らしていた。しかし、CIA の旧友フィリックスが助けを求めてきたことで平穏な生活は突如終わってしまう。誘拐された科学者の救出という任務は、想像を遥かに超えた危険なものとなり、やがて、凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことになる。
作品詳細
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 』
公開日:2021年10月1日(金)
全米公開日:10月8日(金)
出演:ダニエル・クレイグ、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、ロリー・キニア、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ジェフリー・ライト、アナ・デ・アルマス、ダリ・ベンサーラ、デヴィッド・デンシック、ラシャーナ・リンチ、ビリー・マグヌッセン、ラミ・マレック
監督:キャリー・フクナガ
脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、スコット・バーンズ、キャリー・フクナガ、フィービー・ウォーラー=ブリッジ
製作:バーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソン
配給:東宝東和