展覧会「横山華山」展が、2019年7月2日(火)から8月17日(土)まで、京都文化博物館にて開催される。

”忘れられた天才”横山華山とは？

横山華山は、江戸時代後期の京都で活躍した絵師。幼少期より触れてきた、自由で斬新な画風によって奇想の画家と呼ばれた曾我蕭白の作品に傾倒しつつ多くの流派の画法を身につけ、作品の画題に合わせて自由自在に筆を操り人気を博した。

華山の作品は、海外では早くより評価を獲得。また、日本においても、夏目漱石の小説「坊ちゃん」などに華山の名前が登場するなど、明治時代まではよく知られた存在であった。しかし、画壇の潮流に左右されず幅広い画域をもつ規格外な面は、美術史の中では分類しづらく、時代を追うごとに忘れ去られ“知る人ぞ知る”絵師となっていった。

約120の作品で掘り起こす横山華山の全貌

「横山華山」展は、かつて有名であったにも関わらず忘れ去られてしまった画家・横山華山の多彩な画業を紹介する初の回顧展。通常、海外の美術館に収蔵されている華山の作品や弟子たちのものなど、約120点の作品が集結。華山が傾倒した曾我蕭白の作品と比較できる展示もある。

会場では、華山の原点である初期の蕭白風の作品から人物画、花や鳥の作品など、題材ごとに分けて紹介する。

中でも注目は、華山の集大成ともいえる壮大な絵巻《祇園祭礼図巻》。江戸時代後期の祇園祭の全貌を、上・下巻に分け約30メートルに渡って克明に描いた作品だ。上巻には宵山や山鉾巡行の前祭(さきまつり)が、下巻には2014年に50年ぶりに復活した後祭(あとまつり)や、仮装した芸妓が練り歩く「祇園ねりもの」の様子が細かく描写されている。

細かな描写に加え、上下をトリミングした斬新な構図も、華山ならではの表現方法だ。

日本初公開となる作品や資料も

また、明治から大正期に海を渡った華山の作品たちも特別に展示される。ボストン美術館からは、縦3メートル、幅2メートルの蕭白風の大作《寒山拾得図》をはじめとする5点、大英博物館からは3点を展示。うち、7点が日本初公開となる。

さらに、展覧会の企画段階で、《祇園祭礼図巻》(上巻)の下絵であることが明らかとなった《祇園祭鉾調巻 ぎおんまつりほこしらべかん》をはじめとする貴重な資料も初公開となる。

【詳細】
「横山華山」展
会期：2019年7月2日(火)～8月17日(土) ※会期中展示替えあり。
前期7月2日(火)～7月21日(日)、後期7月23日(火)～8月17日(土)
休館日：7月8日(月)、7月22日(月)、7月29日(月)
開室時間：10:00〜18:00 ※金曜日は〜19:30(入場はそれぞれ30分前まで)
会場：京都文化博物館
住所：京都府京都市中京区三条高倉
TEL：075-222-0888
チケット価格：
・一般(前売券／団体)1,200円(税込)、(当日券)1,400円(税込)
・大高生(前売券／団体)900円(税込)、(当日券)1,100円(税込)
・小中生(前売券／団体)300円(税込)、(当日券)500円(税込)
※団体は20名以上。
※未就学児は無料(要保護者同伴)
※障がい者手帳等提示の人とその付き添い1名は無料。