特別展「埋忠〈UMETADA〉桃山刀剣界の雄」が、大阪歴史博物館にて、2020年10月31日(土)から12月14日(月)まで開催。その後、2021年1月9日(土)から2月21日(日)まで、東京・刀剣博物館に巡回する。

埋忠一門の刀剣・刀装具などを紹介

埋忠(うめただ)は、桃山時代から江戸時代にかけて、とりわけ刀剣界で活躍した一門だ。刀剣や鐔(つば)などの作品で名を馳せた埋忠一門はまた、古い名刀の仕立て直しや金具制作、名刀の記録など、名刀をめぐる幅広い彫金加工に携わっていた。

刀剣の数々

特別展「埋忠〈UMETADA〉桃山刀剣界の雄」では、高い評価を受ける埋忠一門の刀剣・刀装具など約90点を展示。龍の刀身彫刻を軽やかで大胆に施した、埋忠明寿による重要文化財「短刀 銘 山城国西陣住人埋忠明寿 慶長十三年三月日 / 所持埋忠彦八郎重代」(個人蔵)や、明るく冴えた色合いと堂々とした姿が特徴的な刀「稲葉江」など、優れた刀剣の数々を紹介する。

表現性に富んだ鐔

また、表現に富んだ鐔にも注目したい。「蔦文鐔」は埋忠明寿の手によるものであり、真鍮地に赤銅や銀などをはめ込んで、蔦や果実を表現している。図案は江戸時代初期の文化人・本阿弥光悦による蔦下絵作品の表現と類似するのみならず、金属の腐食による滲んだ風合いは、琳派の俵屋宗達が得意とした絵画技法「たらしこみ」を思わせるなど、同時代の美術表現と通ずる部分が見出される。

多彩な活動を紹介

さらに、仕立て直しや金具制作といった、いわば埋忠一門による“余白”の活動にも着目。桃山時代の京都でみずみずしい造形に富んだ刀剣・ 刀装具を手掛けた多彩な活動を、時代背景とともに紹介する。

展覧会概要

特別展「埋忠〈UMETADA〉桃山刀剣界の雄」〈日時指定制〉
会期：2020年10月31日(土)〜12月14日(月) 会期中に一部作品の展示替えあり
会場：大阪歴史博物館 6階 特別展示室
住所：大阪府大阪市中央区大手前4-1-32
休館日：火曜日(11月3日(火・祝)は開館)、11月4日(水)
開館時間：9:30〜17:00(金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

■大阪展 チケット情報
事前に日時指定券を購入のこと
観覧料：大人 1,900円、高校生・大学生 1,200円
※中学生以下、障がい者手帳等の所持者(介護者1名を含む)は無料(入館時に証明証を提示)
※観覧料無料対象者(未就学児のぞく)も、日時指定券が必要(発券には各種手数料がかかる場合あり)
発売開始日：2020年9月26日(土) 10:00
購入方法：ローソンチケット公式サイト、全国のローソン・ミニストップ店頭「Loppi」(Lコードは公式ホームページにて告知)、本展専用特設電話番号(TEL：0570-000-034・自動音声)
注意事項：
・1回につき4枚まで購入可。なお、購入後のキャンセルおよび日時変更は不可。
・入場の日時は30分ごとに設定。各時間帯の日時指定券は、売り切れ次第販売終了。
・指定の時刻から30分以内に入場しない場合、入場できない場合あり。
・指定された時間内であっても、会場内の混雑回避のため、入館まで待つ場合あり。

■巡回 東京展
会期：2021年1月9日(土)〜2月21日(日)
会場：刀剣博物館
住所：東京都墨田区横網1-12-9

【問い合わせ先】
大阪歴史博物館
TEL：06-6946-5728