展覧会「聴く─共鳴する世界」が、群馬のアーツ前橋にて、2020年12月12日(土)から2021年3月21日(日)まで開催される。
人のさまざまな行為のなかで、話すことや演奏することに比べて「聴く」行為には注意が向けられることが少ない。しかし、楽器を奏でないことで雑音やざわめき、自然の音に耳を澄ませることへと誘うジョン・ケージの作品にも見るように、「聴く」ことはそれまで気付かなかったことを再認識させる創造的な働きを持っている。
展覧会「聴く─共鳴する世界」では、「聴く」ことを通して世界と関わる実践を、芸術作品から紹介。アンジェリカ・メシティ、野村誠、恩田晃、小森はるか+瀬尾夏美、 ワン・ホンカイ、スン・テウら5人と1組のアーティストを取り上げ、世界に響きあう複数の声に耳を澄ませる試みに目を向ける。
本展に参加するアーティストは、インタビューやフィールドレコーディングといった手法を通して、日々の会話、都市の騒音、過去の記憶、他者のアイデンティティと関わりあう。その作品においては、人物や社会を構成する要素は文字では記されず、「聴く」ことを通してはじめてそれらを認識することができるのだ。
「聴く」ことは、相異なる出来事を同時に知覚することを可能にし、個人や共同体の記憶を、自らに固有のものから複数の経験へと開いてくれる。本展では、戦争や災害にまつわる“記憶”にも着目。東日本大震災に関連した照屋勇賢や瀬尾夏美+小森はるかの作品を取り上げるとともに、第二次世界大戦中の“前橋空襲”の資料を展示していたものの2020年3月に閉館した「あたご歴史資料館」の活動から、記憶の伝承についても考察する。
展覧会「聴く─共鳴する世界」
会期:2020年12月12日(土)〜2021年3月21日(日)
会場:アーツ前橋
住所:群馬県前橋市千代田町5-1-16
開館時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日:水曜日、年末年始(2020年12月28日(月)〜2021年1月4日(月))
観覧料:一般 500円、学生・65 歳以上・団体(10名以上) 300円、高校生以下 無料
※障害者手帳の所持者と介護者1名は無料
※2021年1月9日(土) 前橋初市まつりの日は無料
■出品作家
アンジェリカ・メシティ、野村誠、恩田晃、小森はるか+瀬尾夏美、 ワン・ホンカイ、スン・テウ
■関連上映プログラム
日時:2020年12月12日(土)・26日(土)、2021年1月30日(土)、3月20日(土)
会場:前橋シネマハウス シアター1(アーツ前橋上3階)
参加費:無料
出品作家:奥村雄樹、小森はるか+瀬尾夏美、想田和弘、坂上香
※上映作品およびスケジュールなどの詳細は、美術館ホームページを参照
※要観覧券、事前申し込み不要、先着順、28席限定
【問い合わせ先】
アーツ前橋
TEL:027-230-1144