元イッセイ ミヤケのクリエイティブディレクターで、デザイナーの藤原大をディレクターに迎えた企画展「カラーハンティング展 色からはじめるデザイン」が、六本木の東京ミッドタウン「21_21 DESIGN SIGHT」で開催中。2013年10月6日(日)まで行われている本展覧会は、藤原大が生み出した「カラーハンティング(色の採取)」をテーマにしたものだ。
開催期間中、2013年6月29日(土)に、本展のディレクターの藤原大によるギャラリーツアーが行われた。藤原大の「カラーハンティング」の手法は世界中に現存するありとあらゆるカラーを、ひとつひとつコレクションしていくような感覚で、非常にユニーク。
例えば、藤原はアフリカのセレンゲティ公園へ、動物の「色」をハンティングをしに行った。ライオンの背中の色、お腹の色、たてがみの色という具合にライオンそのものズバリの色を、見たその場で水彩絵具を混ぜて色を再現していく。
「ライオンシューズ」と題されたこの展示の中で、なんとそのハンティングしてきたライオンの色はシューズになった。靴の製作を共同製作したのはシューズブランドのカンペール(CAMPER)。“ライオン・カラー”のシューズはライオンの家族のようなイメージで大小あり、赤外線のセンサーで動く機械仕掛けだ。東京芸術大学大学院映像研究科の協力のもと、お互いの動きを学習するコンピューターが仕込まれいる。またシューズが走る台には、マサイ族の住む大地の土の色が使われた。
会場では、世界に存在する色の多様さを実感できるだけでなく、その色が持つ意味についても紹介される。1200年前の古文書に記されている「幻の色」の再現に取り組む研究者や、野菜から色を抽出しようとする企業とのプロジェクトを発表するほか、イメージや情報を色に置き換えるという実験的で新しい試みに溢れている。
新しいだけでなく、「ネーム・ザ・ツリー プロジェクト」では日常生活の中にある街路樹など、身近な木に名前と色を与えるというテーマで、Parsons The New School for DesignやHoung kong Design Instituteなど世界中の学生が映像コンテンツを制作した。また、会場内の什器として、展覧会が終わった後は古紙としてリサイクルできるように段ボールが使われている。
本展の中では、コスメブランドの資生堂や眼鏡ブランドのJINSなど、私たちに馴染のあるブランドが協力している。当たり前に存在する「色」というものに、あらゆる側面からフォーカスした展覧会。トークショーやワークショップなど、好奇心を満たしてくれる企画も盛りだくさんだ。日頃見落としがちな「色」から生まれる驚きや喜びを、ぜひ会場で体感してみて。
【イベント詳細】
「カラーハンティング展 色からはじめるデザイン」
会期:2013年6月21日(金)〜10月6日(日)
場所:21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウンガーデン内)
住所:東京都港区赤坂9-7-6
入場料:一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
TEL:03-3475-2121
URL:www.2121designsight.jp