企画展「大久保英治 ─山と川のはざま・宝塚の時間を求めて」が、兵庫の宝塚市立文化芸術センターにて、2021年7月10日(土)から8月22日(日)まで開催される。
自然との共生をテーマに活動するランドアーティスト、大久保英治。ランドアーティストとは、自然のなかに身を置き、自然の断片を拾い集め、それら自然の素材を生かした芸術表現を手がける芸術家のことだ。大久保は、欧米で生まれたランドアートのコンセプトに日本的な自然観と仏教思想を組み入れた独自の表現を展開しており、国際的にも評価されている。
企画展「大久保英治 ─山と川のはざま・宝塚の時間を求めて」は、日本を代表するランドアーティストである大久保英治の全貌を詳らかにする大規模展覧会。宝塚をテーマとした新作28点を含め、400点超の作品を展示する。
第1室では、代表的な表現である石を使ったインスタレーションを紹介。過去の記憶を宿す自然石を積層させた作品は、ランドアーティストとしての真骨頂を示すものだといえる。また、本展のための新作「サイトシリーズ」も展示する。
本展開催までの1年半にわたり、大久保は宝塚を歩いて、街や自然、歴史などから得た着想を作品へと具現化した。第2室ではこれら宝塚をテーマとする作品を展示。「物が生まれては土に還ってゆく自然の流れのなかで、物と物とをある地点で結びつける」という大久保独自の思想「還流」に基づき、宝塚との対話が独自の視点で表現されている。
大久保がライフワークとして手がけているのが、日々歩きながら発見した“打ち捨てられたもの”をコラージュした「日常の歩行」シリーズだ。第3室では、そのなかから宝塚を歩いて生まれた作品を含む400点以上を展示するほか、2019年から始めた「うつろ・ふ」シリーズも公開する。
これまで大久保は、日本人や日本の文化ルーツについて考察してきた。すなわち、島国である日本に、海の彼方から漂着して水際に流れ着いた文化を活用して紡がれてきたのが日本文化だという。第4室では、日本人の文化ルーツに着目し、日本海に面する鳥取県の海岸線を歩き、拾い集めたライター約3万個をアクリルケースに封じ込めた大作「水の記憶」を展示する。
企画展「大久保英治 ─山と川のはざま・宝塚の時間を求めて」
会期:2021年7月10日(土)〜8月22日(日)
会場:宝塚市立文化芸術センター 2Fメインギャラリー
住所:兵庫県宝塚市武庫川町7-64
休館日:水曜日
開館時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
観覧料:一般(高校生以上) 800円、中学生以下 無料
※障がい者手帳の提示により、本人と付添者1名まで無料
※“宝塚市”の「塚」は、正式には旧字体
【問い合わせ先】
宝塚市立文化芸術センター
TEL:0797-62-6800