特別展「Lines(ラインズ)—意識を流れに合わせる」が、金沢21世紀美術館にて、2024年6月22日(土)から10月14日(月・祝)まで開催される。
特別展「Lines(ラインズ)—意識を流れに合わせる」は、「線」をテーマに現代美術作品を紹介する展覧会だ。地球上に存在するあらゆるものが線を紡ぎだし、これらの線が網の目のように生態系のプロセスを織りなす、という考えのもと、アーティストの創作に光をあててゆく。
着想源となったのが、イギリスの人類学者ティム・インゴルドの思想だ。哲学、社会学、生体人類学など、多様な領域を横断しつつ人類学の研究を行うインゴルドは、その著作のひとつで、「線」という観点からあらゆるものを捉えなおす考え方を提示している。本展では、このような「線」が人々の生活や関係性をどのように織りなしているのかを、美術作品を通して考察する。
本展では、金沢21世紀美術館のコレクション作品を含む、現代美術作品を紹介。マーク・マンダースや大巻伸嗣をはじめ、10か国からさまざまな文化的背景を持つ16組の作家を取り上げ、「線」という視点から35作品を展示する。
たとえば、横山奈美は、言葉や消費されてゆくイメージをネオン管で表現し、それを忠実に描く作品を手がけてきた。本展では、最新作《Shape of Your Words(言葉のかたち)》を公開。同作は、インドでの滞在制作を通して、初めて作家自身以外の人々が書いた「I am」の文字をコラージュした作品であり、線が言葉の意味以上に心と身体を結びつけるものとなっている。
そのほか、廃棄された素材から複雑なタペストリーを作りだすエル・アナツイ、日常生活にありふれた物をに組み合わせ、繊細で精緻なインスタレーションを手がけるサラ・ジー、1960年代ベトナムに生まれ、幼少期に両親とともに難民としてアメリカに渡った出自を背景に制作を行うティファニー・チュンなどが出品する。
特別展「Lines(ラインズ)—意識を流れに合わせる」
会期:2024年6月22日(土)〜10月14日(月・祝)
会場:金沢21世紀美術館 展示室7〜12・14、交流ゾーン
開場時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※観覧券販売はいずれも閉場30分前まで
休場日:月曜日(7月15日(月・祝)、8月12日(月・振)、9月16日(月・祝)・23日(月・振)、10月14日(月・祝)は開場)、7月16日(火)、8月13日(火)、9月17日(火)・24日(火)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、大学生 800円(600円)、小学・中学・高校生 400円(300円)、65歳以上 1,000円
※本展観覧券は同時開催される「コレクション展」と共通
※( )内はウェブ販売料金および20名以上の団体料金
■出品作家
エル・アナツイ、ティファニー・チュン、サム・フォールズ、マダディンキンアーシー・ジュウォンダ・サリー・ガボリ、マルグリット・ユモー、マーク・マンダース、ガブリエラ・マンガーノ&シルヴァーナ・マンガーノ、大巻伸嗣、エンリケ・オリヴェイラ、オクサナ・パサイコ、ユージニア・ラスコプロス、SUPERFLEX、サラ・ジー、ジュディ・ワトソン、八木夕菜、横山奈美
【問い合わせ先】
金沢21世紀美術館
TEL:076-220-2800