展覧会「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」が、東京都写真美術館にて、2021年8月24日(火)から10月31日(日)まで開催される。
「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」は、日本とオーストラリアを代表する現代写真を紹介する展覧会だ。両国からそれぞれ4人づつ、 あわせて8人の作家を取り上げ、その作品を紹介する。
日本からは、石内都、片山真理、畠山直哉、横溝静らが出品。〈Mother’s〉で2005年のヴェネツィア・ビエンナーレの日本館代表作家に選出された石内都は、2007年より被爆者の遺品を撮影した〈ひろしま〉を制作、以後、毎年広島に訪れて本作の制作を続けている。
畠山直哉は、人工的な環境の中で起こる建造や災害、破壊をモチーフに、「変化」 と「再生」という概念を探求。また、片山真理は、先天性の病気のため9歳の時に両足を切断したことで制限のある体となった自らの体験に基づいた制作を行っており、2020年には初の写真集『GIFT』で第45回木村伊兵衛写真賞を受賞している。
一方、オーストラリアの作家には、4つの部族の血を引く先住民の女性として育ち、文化的実践や知識の再生に焦点を合わせた活動を行うマレイ・クラークや、パフォーマンス的要素を取り入れた写真表現により、歴史や現代文化、アイデンティティ、自己の存在の関係性を探るポリクセニ・パパペトロウのほか、ローズマリー・ラング、ヴァル・ウェンズらの名前が連なる。
写真は、過去や社会と密接に絡みあい、人びとの時間に対する考えを揺らがせ、個人の経験と社会をつなぐ力を持っている。本展では、過去と未来、経験と未知、記憶と忘却、生と死などの対立項を行き来し、循環することで、可逆的な思考へと誘う写真・映像表現を紹介する。
なお、本展は、メルボルン大学の協力のもと、オーストラリアを代表するキュレーター、ライター、シニア・リサーチャーとして国際的な現代アートプロジェクトに携わってきた同大学教授ナタリー・キングとの共同企画として開催される。
展覧会「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」
会期:2021年8月24日(火)〜10月31日(日)
会場:東京都写真美術館 3階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(8月30日(月)、9月20日(月・祝)は開館)、9月21日(火)
観覧料:一般 700円、学生 560円、中高生・65歳以上 350円
※小学生以下および都内在住・在学の中学生、障害者手帳の所持者と介護者(2名まで)は無料
※オンラインによる事前予約が可能(詳細は美術館ホームページを参照)
※内容は変更となる場合あり(最新情報については美術館ホームページを確認のこと)
■出品作家
マレイ・クラーク、ローズマリー・ラング、ヴァル・ウェンズ、ポリクセニ・パパペトロウ、 石内都、片山真理、畠山直哉、横溝静
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099