愛知の豊田市美術館では、「コレクション展:絶対現在」を、2021年10月23日(土)から2022年1月23日(日)まで開催する。
「コレクション展:絶対現在」では、歴史に対する“現在の時間”についての意識に着目し、河原温をはじめとするコレクション作品を紹介する。
河原温は、その日のうちに当日の日付を描く「デイト・ペインティング」シリーズを手がけた。時間は目に見えぬまま流れてゆくが、「デイト・ペインティング」は、移ろう時の一瞬を作品に捉えることで、歴史的な時間と個人が“今ここ”で体験する時間へと、観る者の意識を促すものである。
豊田市美術館は、1971年に制作された1か月分の「デイト・ペインティング」を所蔵している。本展では、この1ヶ月分の「デイト・ペインティング」を中心に、同シリーズが制作されてから経過した50年=半世紀という時間に向き合う“今ここ”の視点を、コレクション作品を通して探る。
たとえば杉本博司は、古来より人類が見つめてきた唯一変わらない風景として、静謐な海の水平線を撮影する。一方で下道基行は、戦中に国外に建てられた鳥居に着目し、それらがかつて担っていた機能や象徴性を失ってもなお、人びとの生活や風景とともにある重層的な時間を捉える。さらにイギリス出身のライアン・ガンダーは、娘がシーツに潜ってオバケに扮している様子を、彼女が幽霊を信じている間だけ毎年彫刻で表現する。
そのほかにも本展では、李禹煥やボリス・ミハイロフらの作品を出品。太古の昔から近過去、そして現代に至る、歴史的事象や自然、個人的な記憶といった時間が多層的に折り重なる作品を通して、“今ここ”でそれらと向き合う自分自身にも意識を向けることができそうだ。
コレクション展:絶対現在
会期:2021年10月23日(土)〜2022年1月23日(日)
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
休館日:月曜日(1月10日(月・祝)は開館)、年末年始(12月27日(月)〜1月4日(火))
開館時間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)
観覧料:一般 300円(250円)、高校・大学生 200円(150円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者手帳の所持者および介添者1名、豊田市内在住または在学の高校生、豊田市内在住の75歳以上は無料(要証明)
※そのほかの観覧料の減免対象者・割引などについては、美術館ウェブサイトを確認、あるいは美術館へ問い合わせのこと
※会期、関連事業の内容、来館者の受入態勢などは変更となる場合あり(最新情報は美術館ウェブサイトにて確認のこと)
■主な出品作家
ライアン・ガンダー、河原温、ジェームズ・リー・バイヤース、 李禹煥、ボリス・ミハイロホフ、下道基行、杉本博司
■同時開催
企画展「ホー・ツーニェン 百鬼夜行(ひゃっきやこう)」
会期:2021年10月23日(土)〜2022年1月23日(日)
【問い合わせ先】
豊田市美術館
TEL:0565-34-6610