特別展「ポンペイ」が、東京国立博物館 平成館にて、2022年1月14日(金)から4月3日(日)まで開催される。その後、京都、宮城、福岡を巡回予定だ。

ポンペイ遺跡の名品約150点を一挙公開

イタリア・ナポリ近郊のポンペイは、ローマ帝国の都市として繁栄していたものの、紀元後79年にヴェスヴィオ山で大規模な噴火が発生し、火山噴出物に飲み込まれた。火山灰で埋没した古代の居住地には、当時の人びとの生活空間と家財が閉じ込められており、18世紀から現在に至るまで発掘が続けられている。

特別展「ポンペイ」は、ポンペイ遺跡の膨大な遺物を収蔵するナポリ国立考古学博物館のコレクションから、日本初公開を含む約150点の名品を紹介。モザイクや壁画、彫像、工芸品の傑作から、豪華な食器、調理具といった日常品まで、多彩な発掘品を通して、古代都市ポンペイの繁栄と当時の人びとの生活に光をあてる。

公共施設にまつわる彫像やフレスコ画

ポンペイの街には、中央広場や円形闘技場、運動場、神殿など、古代ローマの都市には欠くことのできない公共施設があった。本展では、古代ギリシアの彫刻家ポリュクレイトスが製作したブロンズ像の傑作「槍を持つ人」の複製品とされる大理石像や、円形闘技場での乱闘の様子を描いたフレスコ画など、公共生活にまつわる作品を展示。加えて、ウェヌスの沐浴を題材とする大理石像といった神々にまつわる作品から、ポンペイにおける宗教と信仰についても紹介する。

人びとの生活の様子

また、ポンペイの人びとの生活の様子を垣間見られる出土品も展示。カメオ・ガラスと呼ばれる技法で制作された容器・通称「青の壺」など宴席を飾った品々、教養人であることを示そうとした家財や装飾からは、裕福な市民の嗜好を見て取ることができるだろう。さらに、ポンペイの食と仕事にも焦点を合わせて、パン屋の店先を描いたフレスコ画や出土したパン、そして住民が実際に使っていた仕事道具も展示する。

ポンペイの邸宅の一部を再現

本展の後半では、ポンペイ遺跡の3軒の邸宅に着目し、会場内に邸宅の一部を再現。ヘレニズム美術屈指のモザイク装飾が残される「ファウヌスの家」、ローマ文化が黄金時代を迎えた頃のフレスコ画で知られる「竪琴奏者の家」、そして噴火直前に描かれたフレスコ画が残る「悲劇詩人の家」を取り上げ、ポンペイの繁栄の歴史をたどることができる展示空間を展開する。

展覧会概要

特別展「ポンペイ」
会期：2022年1月14日(金)〜4月3日(日)
会場：東京国立博物館 平成館
住所：東京都台東区上野公園13-9
開館時間：9:30〜17:00
休館日：月曜日(3月21日(月・祝)・28日(月)は開館)、3月22日(火)
観覧料：一般 2,100円、大学生 1,300円、高校生 900円
※中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料
※事前予約(日時指定券)が可能(会場でも当日券を購入できるが、混雑状況により入場を待つ場合や、当日券の販売が終了している場合あり)
※障がい者とその介護者1名は事前予約(日時指定券)不要
※日時指定券は、2022年1月5日(水)より販売開始予定(詳細は展覧会公式サイトにて告知)
※展示作品・会期・開館時間・観覧料・販売方法などは変更となる場合あり(最新情報は展覧会公式サイトなどにて確認のこと)

■巡回情報
・京都会場
会期：2022年4月21日(木)～7月3日(日)
会場：京都市京セラ美術館 (京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124)
・宮城会場
会期：2022年7月16日(土)～9月25日(日)
会場：宮城県美術館 (宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1)
・福岡会場
会期：2022年10月12日(水)～12月4日(日)
会場：九州国立博物館 (福岡県太宰府市石坂4-7-2)

【問い合わせ先】
TEL：050-5541-8600 (ハローダイヤル)