企画展「季節をめぐり、自然と遊ぶ〜花鳥・山水の世界〜」が、東京・虎ノ門の大倉集古館にて、2022年1月18日(火)から3月27日(日)まで開催される。
古来より人びとは、表情を変えゆく自然の姿に美や意味を見出し、その形を写しとろうとしてきた。美しい花や鳥、雄大な山岳や河川、あるいは転変する天象や地象を造形化したものは、その姿かたちや特徴から吉事の予兆として見なされるばかりでなく、思想や文学と関係を持ちつつ「型」や「寓意」が与えられ、人びとに広く共有されることになる。さらには季節の移ろいのイメージは人生観とも結びつき、人生や心情を表現する役割をも担うようになった。
企画展「季節をめぐり、自然と遊ぶ〜花鳥・山水の世界〜」では、大倉集古館が所蔵する日本・中国・韓国の絵画や書跡、工芸品を取り上げ、季節や時の移ろいに着目しつつ、作品に込められた意味や表現などを探る。
1章では、「和」の世界の自然描写を紹介。日本の季節観の原型は平安時代に形成され、そこでは四季と恋の歌を中心とした『古今和歌集』が重要な役割を担っていたとされる。和歌に詠まれた季節の景物は、年中行事や名所、物語などと結びつき、そうしたなかで「型」や「寓意」が与えられて、多彩な表現を持つに至ったのだった。本章では、春の桜と、秋の草花を題材とした作品を中心に展示する。
続く2章では、水墨画や漢詩を中心とする「漢」の世界の花鳥・山水の作品を展示。「漢」とは、「和」に対して中国のことを指す。中国では、官僚登用試験である科挙に合格した「文人士大夫」が文化を先導。花鳥画や山水画の背景にも、儒教をベースとした価値観や古典の教養があった。本章では、蘭や梅を題材とした作品、花鳥図、そして山水図を取り上げ、その自然描写に隠された中国由来の意味や表現を紹介してゆく。
企画展「季節をめぐり、自然と遊ぶ〜花鳥・山水の世界〜」
会期:2022年1月18日(火)〜3月27日(日) 会期中に一部作品の巻替えあり
[前期 1月18日(火)〜2月20日(日) / 後期 2月22日(火)〜3月27日(日)]
会場:大倉集古館
住所:東京都港区虎ノ門2-10-3(The Okura Tokyo前)
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(休日の場合は翌平日)
入館料:一般 1,000円、大学生・高校生 800円、中学生以下 無料
※同会期中のリピーターは200円引き
※20名以上の団体は100円引き
※障がい者手帳、被爆者手帳の提示者およびその同伴者1名は無料
※展覧会およびイベントは、中止または変更となる場合あり(最新情報については美術館ウェブサイトを確認のこと)
【問い合わせ先】
大倉集古館
TEL:03-5575-5711