企画展「北斎花らんまん」が、東京・すみだ北斎美術館にて2022年3月15日(火)から5月22日(日)まで開催される。
企画展「北斎花らんまん」は、葛飾北斎やその門人たちの作品から、様々な“花”をテーマにした作品約100点を紹介する展覧会。桜をはじめ、梅、朝顔、桔梗、椿など、前期・後期あわせて約35種の花を題材とした作品の数々が一堂に集結する。緻密に表現された花弁や葉の質感や、細かく描き込まれた花脈や葉脈など、北斎をはじめとする浮世絵師たちによるディテールの描写や、一瞬をとらえる観察眼の鋭さに注目だ。
数ある花の中でも、古くから人気のある“桜”は、とりわけ多く絵の題材になっている。浮世絵版画や肉筆画にも、花見の名所や、人々が花見をする様子を描いた作品が多く残された。
北斎の代表作「冨嶽三十六景」からは、江戸屈指の花見の名所であった「御殿山」を描いた作品が登場。色を転写せずに凸凹のみで表現する“空摺”の技法によって摺られた、枝いっぱいに咲く桜が目を引く作品だ。ござを広げて酒宴に興じる人々や、子供を背負って歩く人々など、様々な花見の楽しみかたも見て取ることができる。
また、厳しい冬を越え早春に咲き出す梅や辛夷(こぶし)、木蓮などは、春の訪れを告げるおめでたい象徴として喜ばれた花々。存斎光一の「花咲か爺さん」には、桜ではなく梅の花を咲かせる様子とともに、梅の香りや春の訪れへの期待を込めた狂歌が記されている。
加えて、4月から6月にかけて開花する牡丹を北斎が描いた大判花鳥画「牡丹に胡蝶」や、夏から秋にかけて咲く桔梗を3種類織り交ぜて描いた「桔梗にとんぼ」、冬の花・椿を描いた柳々居辰斎の「五色之内 赤絵南京」など、季節ごとの花々の作品も登場する。
さらに、絵画作品に加え、モチーフとして日用品の装飾に落とし込まれた“花”についても紹介。北斎がデザインした小紋染の模様を収めた図案集『新形小紋帳』をはじめ、着物や道具などを彩る“意匠化された花”の作品を展示する。
【詳細】
企画展「北斎花らんまん」
会期:2022年3月15日(火)~5月22日(日) ※前後期で一部展示替えを予定
前期 3月15日(火)~4月17日(日)/後期 4月19日(火)~5月22日(日)
場所:すみだ北斎美術館
住所:東京都墨田区亀沢2-7-2
休館日:毎週月曜日 ※3月21日(月・祝)は開館、3月22日(火)休館
開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)
料金:一般 1,000円、高校生・大学生 700円、65歳以上 700円、中学生 300円、障がい者 300円、小学生以下 無料
※本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)をはじめ全ての展示を観覧可能。
※団体での来館は、当面の間、受付なし。
※会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催など変更、中止の可能性あり。 最新情報は、すみだ北斎美術館公式ホームページにて告知。
【問い合わせ先】
すみだ北斎美術館
TEL:03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)