群馬の原美術館ARCでは、展覧会「雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション」を、2期にわたって開催。第1期は2022年3月19日(土)から9月4日(日)まで、第2期は9月10日(土)から2023年1月9日(月・祝)まで。
展覧会「雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション」では、作品制作や鑑賞のあり方の一端を「雲をつかむ」という言葉に仮託し、「原美術館コレクション」の現代美術作品と、「原六郎コレクション」の東洋古美術作品を紹介する。
「雲をつかむ」とは、通常は漠然として捉えどころのないさまや、現実味のないことを指す、どちらかといえばネガティブなニュアンスを持つ言葉だ。しかし本展ではこれを、非現実的に思われることに挑戦する姿勢、あるいは混沌とした状況や不透明な事象から、何か本質的といえるものを捉えようと試みるポジティブな言葉と見なして、この言葉に基づいて現代美術と東洋古美術の作品を展示する。
現代美術では、作家が自己や美術の本質をつかもうと独自の理論や手法に基づいて制作した作品や、概念を作品化したもの、具体的な像を結ばない抽象絵画や立体、そして不可解な光景が連なった写真作品などを展示。第1期は杉本博司や森村泰昌、須田悦弘、辰野登恵子など、第2期は榎倉康二や白髪一雄、横尾忠則、李禹煥などを取り上げる。
一方で東洋古美術では、桃山時代に描かれた《仏涅槃図》や狩野派の《蘭亭図》をはじめ、雲を描くことで場面を転換したり時の流れを表現したりする日本の近世絵画や、仏教絵画にみる雲の表現を紹介。また、円山応挙の《淀川両岸図巻》(下図)も、巻き替えながら通年で展示する。
展覧会「雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション」
会期:
・第1期(春夏季) 2022年3月19日(土)〜9月4日(日)
・第2期(秋冬季) 2022年9月10日(土)〜2023年1月9日(月・祝)
※特別展示室・觀海庵は、第1期、第2期ともに会期中各1回の展示替えあり
会場:原美術館ARC
住所:群馬県渋川市金井 2855-1
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:木曜日(祝日および8月、12月29日(木)のぞく)、展示替え期間、1月1日(日・祝)、冬季
入館料:一般 1,100円、大高生 700円、小中生 500円
※原美術館ARCメンバーシップ会員は無料
※学期中の土曜日は群馬県内の小中学生の入館無料
※ぐーちょきパスポートの提示者、70歳以上、障がい者は特別料金規定あり
※会期変更の可能性あり(最新情報については美術館公式ウェブサイトを確認のこと)
■出品作家(予定)
・第1期(春夏季)
[現代美術]エレーナ・アルメイダ、井田照一、内倉ひとみ、笹口数、杉本博司、須田悦弘、ピエール・スーラージュ、辰野登恵子、野村仁、ナム・ジュン・パイク、藤本由紀夫、宮脇愛子、森村泰昌、山口長男、吉田克朗、エドワード・ルシェ、ジャン=ピエール・レイノー、リチャード・ロング ほか
[古美術]狩野派《蘭亭図》、円山応挙《淀川両岸図巻》(下図)、《仏涅槃図》 ほか
・第2期(秋冬季)
[現代美術]榎倉康二、大野智史、加藤泉、白髪一雄、中村一美、鳴海暢平、堀浩哉、ジョナサン・ボロフスキー、増田佳江、ジャック・モノリー、トレイシー・モファット、森弘治、横尾忠則、吉田克朗、李禹煥 ほか
[古美術]円山応挙《淀川両岸図巻》(下図)、《帰去来・放白鵬図》 ほか
・通年展示作品
アニッシュ・カプーア《虚空》、草間彌生《ミラールーム(かぼちゃ)》、宮島達男《時の連鎖》、森村泰昌《輪舞(双子)》、奈良美智《My Drawing Room》、束芋《真夜中の海》 ほか
【問い合わせ先】
原美術館ARC
TEL:0279-24-6585