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東京都写真美術館「日本の新進作家」展 - 写真・映像イメージの“肌理”に着目する5人の作家を紹介

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展覧会「見るは触れる 日本の新進作家 vol. 19」が、東京都写真美術館にて、2022年9月2日(金)から12月11日(日)まで開催される。

見ることと触れること

多和田有希「I am in You」2018年
Courtesy of rin art association
多和田有希「I am in You」2018年
Courtesy of rin art association

写真・映像の可能性を拓く作家を発掘するため、東京都写真美術館が開催してきた「日本の新進作家」展。第19回目となる「見るは触れる 日本の新進作家 vol. 19」では、写真や映像のイメージが有する肌理、手触りを起点に、イメージばかりでなくその支持体となるメディアそれ自体への考察へと誘う、5人の作家の作品を展示する。

本展で紹介するのは、水木塁、澤田華、多和田有希、永田康祐、そして岩井優の5人。それぞれに異なる表現を用い、視覚を通してイメージがもつ物質的な肌理を喚起させる作品を手がけてきた作家たちだ。

水木塁《雑草のポートレートおよび都市の地質学(dubbed version 3)》2022年
水木塁《雑草のポートレートおよび都市の地質学(dubbed version 3)》2022年

水木塁は、足の裏に感じた路上の質感から、支持体に都市の記録を重ねることを試みてきた。また、澤田華は、認識の過程に問いを立て、図像と想像の相互関係を検証するプロセスを作品化。多和田有希は、自ら撮影した写真表面を消す、燃やす、削るといった行為を通して、都市や群衆の集合的無意識や個の意識変容をイメージとして汲み出している。

永田康祐「Function Composition」2019年[参考図版]
Courtesy of ANOMALY
永田康祐「Function Composition」2019年[参考図版]
Courtesy of ANOMALY

一方、永田康佑は、人間が物事を認識する際に基礎となっている社会制度やメディア技術、知覚システムに着目し、そこからこぼれ落ちるものをすくい上げる作品を制作。そして岩井優は、クレンジング(浄化・清浄)をテーマに、社会をシニカルに洗い出す映像などを展開してきた。

澤田華《漂うビデオ(水槽、リュミエール兄弟、映像の角)》2022年
澤田華《漂うビデオ(水槽、リュミエール兄弟、映像の角)》2022年

本展では、写真や映像という表現媒体が物質性を有し、作品を見る者の身体との密接な関係のなかで存在するという特性に着目。写真や映像のイメージが、視覚的でありながらも触覚的な手触りを喚起させ、見る者に「見る」そして「想像する」という行為そのものに意識を向けさせる作品を紹介する。

岩井優《経験的空模様 #1》(Control diariesより) 2020年 Photo: Shu Nakagawa
©Masaru Iwai, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art
岩井優《経験的空模様 #1》(Control diariesより) 2020年 Photo: Shu Nakagawa
©Masaru Iwai, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art

会場では、既存の写真・映像作品展のイメージとは大きく異なる立体作品に加えて、展示空間を活用したインスタレーション形式での展示も展開予定。物質的、あるいはコンセプチュアルなアプローチが切り拓く、写真・映像展示の可能性を探ってゆく。

展覧会概要

展覧会「見るは触れる 日本の新進作家 vol. 19」
会期:2022年9月2日(金)〜12月11日(日)
会場:東京都写真美術館 3階展示室
住所:東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)
観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中高生・65歳以上 350円
※オンラインによる日時指定予約が可能
※内容は変更となる場合あり(最新情報については美術館ホームページを確認のこと)

■出品作家
水木塁、澤田華、多和田有希、永田康祐、岩井優

【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099

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