企画展「中﨑透 フィクション・トラベラー」が、茨城の水戸芸術館現代美術ギャラリーにて、2022年11月5日(土)から2023年1月29日(日)まで開催される。

中﨑透、美術館での初個展

中﨑透は、1976年茨城・水戸に生まれ、同地を拠点に活動する美術家だ。言葉やイメージなどの共通認識のなかに生じるズレをテーマに、自然体でゆるやかな手法を用いた制作を行なっており、看板をモチーフとした作品をはじめ、パフォーマンス、映像、そしてインスタレーションなど、さまざまな手法による作品を展開している。

企画展「中﨑透 フィクション・トラベラー」は、中﨑透による美術館初の大規模個展。中﨑が近年展開している、インタビューに基づく文学的なインスタレーションに着目し、中﨑にゆかりの深い水戸と水戸芸術館を読み解く最新作を発表するとともに、代表作をはじめとするこれまでの作品もあわせて展示する。

水戸ゆかりの美術家による最新作

水戸に生まれ育った中﨑は、高校時代から水戸芸術館の活動にふれ、美術家を志すようになった。以後、鑑賞者として同館の展覧会を訪れ、2007年に水戸に活動拠点を移してからは美術家としても館の活動に携わるようになった。本展では、水戸と水戸芸術館の「もうひとつの物語」を浮かびあがらせる最新作を紹介する。

インタビューに基づく物語的インスタレーション

この最新作は、中﨑が展開する、インタビューに基づく手法によるもの。中﨑は近年、ある特定の場について、そこに関わる人びとにインタビューを行い、そこから抽出した言葉をもとに物語を構成して、その場の歴史や特質にまつわる文学的なインスタレーションを手がけている。本展では、水戸と水戸芸術館に着目し、それぞれにゆかりのある男女5名にインタビューを行うとともに、同館の設立にまつわる資料調査も実施。自叙伝的な色合いも交えつつ、水戸と水戸芸術館をめぐる「もうひとつの物語」を展開する。

活動の全貌も紹介

さらに本展では、初期作から近作に至る中﨑の作品も紹介。代表作である看板をモチーフとしたシリーズ「看板屋なかざき」を筆頭に、絵画やドローイング、過去のインスタレーションの再構成、カラーアクリルと蛍光灯を用いた立体作品などを織り交ぜつつ、中﨑の活動の全貌にも光をあてる。

展覧会概要

企画展「中﨑透 フィクション・トラベラー」
会期：2022年11月5日(土)〜2023年1月29日(日)
会場：水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所：茨城県水戸市五軒町1-6-8
開館時間：10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日：月曜日(1月9日(月・祝)は開館)、年末年始(2022年12月27日(火)〜2023年1月3日(火))、1月10日(火)
入場料：一般 900円、団体(20名以上) 700円
※高校生以下、70歳以上、障害者手帳などの所持者および付添者1名は無料(年齢のわかる身分証明書などが必要)
※学生とシニアための特別割引デー「First Friday」：学生証の所持者と65歳〜69 歳は、毎月第1金曜日(12月2日、1月6日)、100円で入場可(学生証や年齢のわかる身分証明書が必要)

【問い合わせ先】
水戸芸術館
TEL：029-227-8111 (代表)