1920年創業。
イヴ サロモン(Yves Salomon)はフランスの老舗ファーメゾン。1920年に創業者のグレゴリー・サロモンがフランス・パリで毛皮商をスタートする。
グレゴリー・サロモンは列車とそりでロシア内を回り、最高の毛皮を買い付ける。第2次世界大戦が勃発すると、1940年にアメリカに移住。その後1950年に再びパリへ移住し、ビジネスを成長させる。
1960年、2代目のボリス・サロモンがビジネスを引き継ぐ。ボリスはヒョウやオセロット、ジャガー、チーターなど斑模様の毛皮のトレンドをつくる。クリスチャン ディオールとレビオンが、ラグジュアリーファーをつくるイヴ サロモンの顧客となる。一方、ボリス・サロモンは中国にも進出し、ラビットやゴート、ミンクといった毛皮も扱うようになる。
1970年、厳選した一部のメーカーとのパートナーシップを締結。アメリカ市場を目指すが、アメリカの労働組合の反対に遭いアメリカから撤退する。
1972年、イヴ・サロモンが3代目に就任。1980年に、これまでの毛皮取引ビジネスから、トレンドファッションにフォーカスした会社へ変わる。同年に、ティエリー・ミュグレーのファーコレクションとパートナーシップを結び、イヴ サロモンのブランドがスタートする。これは仏高級百貨店ギャラリー・ラファイエットのCEOが依頼したことによる。ファーコレクションを製造するアトリエを建て、ジャンルイ シェレル、ニナ リッチ、アズディン アライア、ハナエモリなどのトップメゾンのファーを手掛ける。
1980年代後半から1990年代前半は、毛皮反対の運動が起こるなど、イヴ サロモンにとって暗黒時代が到来する。毛皮反対団体からの非難により、ファー製造業者が激減。100軒ほどあった業者が10軒ほどになる。
1997年、ジャンポール・ゴルチエが初めてのオートクチュールコレクションをショー形式で発表するが、このときゴルチエの隣にイヴ・サロモンがいた。その後すぐにジャンポール・ゴルチエとライセンス契約を結び、ソニア リキエルともパートナーシップ契約を結ぶ。
イヴ・サロモンはファーにおける新しいテクニックを追求し、毛皮を延ばしたり、編んだり、異素材とミックスするなど、斬新なコレクションを発表。軽い生地とリーズナブルな価格で、従来のファーのイメージを変える。その後イヴ サロモンのブランドは、世界中の有名百貨店で販売を続ける。
2008年にはパリに3店舗と、フランス南部のリゾート地サントロペに路面店をオープン。ファーブランドとしての地位を確立する。
2012年、初めてのメンズライン「イヴ サロモン オム」を発表。