企画展「甲冑・刀・刀装具展 ─光村コレクション・ダイジェスト─」が、東京・南青山の根津美術館にて、2023年9月2日(土)から10月15日(日)まで開催される。
根津美術館のコレクションの礎を築いた実業家・初代根津嘉一郎(ねづ かいちろう)は、明治42年(1909年)、3,000点以上におよぶ刀剣・刀装具のコレクションを一括購入している。このコレクションを形成したのが、実業家・光村利藻(みつむら としも)だ。
利藻の蒐集は、明治30年(1897年)、長男の利之(としゆき)の初節句のため、本物の甲冑と太刀を購入したことに始まる。その後まもなく、刀剣を譲り受けたことを契機に刀剣蒐集の勢いが加速し、やがて蒐集の対象は刀装具にまで及ぶことととなった。10年ほどの期間で形成されたそのコレクションは、刀装具を中心に、質・資料性ともに極めて高い作品から構成されている。
企画展「甲冑・刀・刀装具展 ─光村コレクション・ダイジェスト─」では、甲冑から刀、そして刀装具へと広がった利藻の関心をたどりつつ、現在根津美術館が所蔵する約1,200点のなかから選りすぐった作品を展示。鎌倉時代の名工・長光が晩年に手がけた《太刀 銘 長光》(重要美術品)といった刀剣、刀装具に、甲冑も初めて交えて、コレクションの全体を紹介する。
さらに、本展には、2022年度に重要文化財に指定された《黒韋肩取威腹巻》を特別出品。初代根津嘉一郎の武具の購入は、光村コレクションを除くとわずかである。そうしたなかで同作は、室町時代の作例としては珍しく、当初のものと考えられる部位をほぼ遺しており、全体的に精緻に仕立てられた優品である。
企画展「甲冑・刀・刀装具展 ─光村コレクション・ダイジェスト─」
会期:2023年9月2日(土)~10月15日(日)
会場:根津美術館
住所:東京都港区南青山6-5-1
開館時間:10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
観覧料:一般 1,300円(1,100円)、学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※オンラインによる日時指定予約制(日時指定入館券は、8月29日(火)より美術館ホームページにて販売開始。招待はがきなどを持っている場合も予約のこと)
※当日券(一般 1,400円)も販売(予約優先のため、当日券購入者は入場時に待つ場合あり。また、混雑状況に応じて当日券を販売しない場合あり)
※( )内は障害者手帳の提示者および同伴者1名の料金
【問い合わせ先】
根津美術館
TEL:03-3400-2536(代表)