愛知・名古屋の徳川美術館では、国宝《源氏物語絵巻》の特別公開を、2024年9月22日(日)から11月24日(日)まで順次行う。
紫式部の『源氏物語』は、のちに多くの写本が作られるとともに、美術にも影響を与えた。それが、『源氏物語』を題材とした絵画「源氏絵」であり、そこに「詞書」と呼ばれる文章を付けた「源氏物語絵巻」である。なかでも、徳川美術館が所蔵する国宝の《源氏物語絵巻》は、平安時代後期に制作された、現存最古の作例であるとされている。
徳川美術館所蔵の《源氏物語絵巻》は、もともと尾張徳川家に3巻の巻物として伝わり、そこには10帖分がまとめられていた。これらの絵巻は、1932年、15枚の絵と28枚の詞書に分け、額に入れた状態に改装されることになった。その後、2016〜2020年にかけて、1場面ごとに絵と詞書を1巻の巻物に仕立てる再改装が行われ、現在の15巻のかたちとなったのである。
2024年は、徳川美術館が所蔵する《源氏物語絵巻》全15巻のうち、「蓬生」「柏木(二)」「東屋(一)」「関屋・絵合」「竹河(二)」の5巻を、場面替えをしつつ公開。雅やかな王朝文化の伝統をふまえ、研ぎ澄まされた感覚で手がけられた絵画表現、華やかに装飾を施した詞書の優美な書にふれることができる。
なお、「蓬生」「柏木(二)」「東屋(一)」の3巻は、9月22日(日)から11月4日(月)にかけて開催される秋季特別展「みやびの世界 魅惑の源氏物語」にて順次公開。その後、「関屋・絵合」「竹河(二)」の2巻は、11月16日(土)から24日(日)まで、名品コレクション展示室にて公開される。
国宝《源氏物語絵巻》特別公開
会期:2024年9月22日(日)〜11月24日(日)
会場:徳川美術館
住所:愛知県名古屋市東区徳川町1017
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日に休館)
入館料:一般 1,600円(1,400円)、高校・大学生 800円(700円)、小・中学生 500円(400円)
※( )内は、オンライン前売および20名以上の団体料金
※前売券は、8月23日(金)から9月21日(土)まで、オンラインチケットサイトにて販売
■公開スケジュール
・第15帖「蓬生」
期間:9月22日(日)~10月6日(日)
・第36帖「柏木(二)」
期間:10月8日(火)~20日(日)
・第50帖「東屋(一)」
期間:10月22日(火)~11月4日(月・振)
・第16・17帖「関屋・絵合」
期間:11月16日(土)~24日(日)
・第44帖「竹河(二)」
期間:11月16日(土)~24日(日)
【問い合わせ先】
徳川美術館
TEL:052-935-6262