展覧会「浜田浄 めぐる 1975—」が、高知県立美術館にて、2025年2月8日(土)から4月13日(日)まで開催される。

転機となった1975年以降の制作を紹介

浜田浄(はまだ きよし)は、1937年高知に生まれ、目まぐるしく変化する戦後日本のアートシーンにとらわれずに自己の表現を追求してきた美術家だ。過去最大規模の個展となる「浜田浄 めぐる 1975—」では、作風の転機となった1975年から2024年にいたる、制作の深化をたどってゆく。

浜田の転換点となったのが、合板に電動ドリルで描いた、斎藤義重(さいとう よししげ)の作品との出会いであった。戦後日本の美術動向「もの派」の作家を指導した斎藤の作品に感銘を受けた浜田は、1975年、シャープな直線が画面を走る合板絵画を制作。1977年にはそのイメージを版画として発表して注目を集めた。

浜田は以後、平面作品を軸としつつ、刷る、塗る、彫る、削る、組むといった行為の反復を通じて、時間の蓄積を感じさせる抽象表現を展開。これらの作品には、具象的なモチーフが明示的に登場することはない。しかし、緊張感ある描線や彫線の連なりには、手作業ならではの温もりばかりでなく、自らが生まれ育った土地の記憶が息づいているという。

本展では、シャープな直線が鮮烈な印象を与える《work 80-B-4》をはじめ、《90-14-K》、《98-10-24 (1)》、《27-2-21》など、約60点の作品を通して、浜田の50年にわたる表現の軌跡を紹介する。

展覧会概要

展覧会「浜田浄 めぐる 1975—」
会期：2025年2月8日(土)〜4月13日(日) 会期中無休
会場：高知県立美術館
住所：高知県高知市高須353-2
開館時間：9:00～17:00(入館は16:30まで)
※初日の2月8日(土)は、10:00からの開展式後に開場
観覧料：一般 1,200円(960円)、大学生 850円(680円)、高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体割引料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳の所持者および介護者(1名)、高知県、高知市長寿手帳の所持者は無料
※本展観覧券で、コレクション展および「ARTIST FOCUS #05 三嶽伊紗」展(会期：2024年12月17日(火)〜2025年2月21日(金))も観覧可
※前売券(一般 960円)は、県立美術館ミュージアムショップ、ローソンチケット(Lコード 62494)ほかにて販売

【問い合わせ先】
高知県立美術館
TEL：088-866-8000