アメリカの要素は本作にどのような効果をもたらしましたか。
前作で観客は、キングスマンのエース・エージェントであるハリーと主人公エグジーといった新旧の世代がぶつかり合う様子を気に入ってくれたと思うので、今回は新たにイギリス文化とアメリカ文化の衝突を描き、その点を継続しました。
マナーを重んじるキングスマンと、荒っぽく血気盛んなステイツマン、対極的な2つの組織を描くことでスパイスの効いた物語になったと思います。イギリスとアメリカは同じ言語を使いますが、文化的には大きく異なっている点が面白いですよね。
最後に、観客へ一言お願いします
映画はストーリーとキャラクターがいかに魅力的かが重要だと思っているので、観客が2時間の間、現実を忘れて完全にその世界観に浸れるような作品を目指して作りました。そういった意味で『キングスマン:ゴールデン・サークル』は、ストーリー、ファッション、ガジェットだけでなく、アクションもスケールアップしているので、ぜひチェックしてみてください。
スパイ機関“キングスマン”の拠点が、謎の敵:ゴールデン・サークルの攻撃により壊滅。残されたのは、前作で一流のエージェントに成長した主人公エグジー(タロン・エガートン)と、教官兼メカ担当のマーリン(マーク・ストロング)のみとなってしまう。敵を追い、同盟を結ぶスパイ機関“ステイツマン"の協力を得るためアメリカに向かう二人。しかし、表ではバーボン・ウイスキーの蒸留所と最高級のバーボンを提供する店を経営しているステイツマンは、英国文化に強い影響を受けたキングスマンと対照的に、コテコテにアメリカンなチームだった!彼らは文化の違いを乗り越えて、ゴールデン・サークルが企む陰謀を阻止することができるのか。
父を亡くして以来、街のチンピラのような生活をしていたエグジー。キングスマンにスカウトされて生活は一変。昔の面影はどこへやら、今では鮮やかなジャケットを纏いすっかり一流エージェントの風格さえも漂わせる。主人公エグジーを演じるのは前作に続きタロン・エガートンだ。
キャストには、教官兼メカ担当のマーリンをマーク・ストロングが続投。新キャラとしては、一風変わったアメリカのスパイ機関ステイツマンのメンバー、シャンパンをジェフ・ブリッジス、テキーラをチャニング・テイタム、ジンジャーをハル・ベリーがそれぞれ演じる。英国紳士らしいスーツに身を包んだキングスマンに対し、ステイツマンは上下デニム姿で、ロゴ入りのムチを握りしめ、男性的なオーラをたっぷり放っている。
新悪役として登場するのは、壮大な陰謀を企む世界的な麻薬組織ゴールデン・サークルのボスであるボビー。その物腰や風貌からは想像できないほど、残虐性を秘めた二面性のあるサイコパスだ。演じるのはジュリアン・ムーア。
彼女が50年代アメリカを意識し、カンボジアの廃墟に作り上げた拠点「ポピー・ランド」にも注目だ。ここは『グリース』や『アメリカン・グラフィティ』を彷彿とさせる世界で、おもちゃ箱をひっくり返した様なカラフルで可愛らしい世界観。さらに、ポピーに誘拐されたスーパースターとしてエルトン・ジョンも本人役で登場し、キャスト陣が豪華にパワーアップしている。
前作で死んだと思われたものの本作で驚きの復活を果たすハリー。ビジュアルでは、スマートなキングスマンの姿と無骨なステイツマンの姿が対象的に描かれている。
予告編ではザ・フーの名曲「マイ・ジェネレーション」と共にド派手なカーアクションが描かれ、ファンにはたまらない、コリン・ファース演じるハリーの復活した姿や、ロープを変幻自在に動かし敵を翻弄するステイツマンの姿も捉えることができる。
前作では労働者階級のチンピラ風だったエグジーは、すっかりキングスマンの一流エージェントに。スーツやオレンジのタキシードをスマートに着こなす姿が印象的だ。
また、『G.I.ジョー』『マジック・マイク』の肉体派俳優チャニング・テイタムが演じるステイツマンのシークレットエージェント・テキーラのカウボーイハットにGジャンのアメリカントラディショナルなスタイルや、ジェフ・ブリッジスが演じるステイツマンのリーダー・シャンパンの無骨な風貌、ハル・ベリー扮するメカニック担当のジンジャーなど、全員お酒にまつわるコードネームを持つステイツマンのメンバーの、キングマン一派とは対象的なアメリカンファッションにも注目。