展覧会「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」が、2018年9月19日(水)から11月11日(日)まで東京・サントリー美術館で、2019年1月29日(火)から3月24日(日)まで福岡・九州国立博物館にて開催される。

「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」は、京都・山科盆地の東側、笠取山一帯に位置する醍醐寺(だいごじ)の至宝を紹介する展覧会。東京・福岡の両会場で、仏像や仏画、史料、書跡など国宝約42件・重要文化財約70件を含む選りすぐりの名宝約135件を並べ、平安時代から近世にいたる醍醐寺の変遷をたどる。

醍醐寺とは

醍醐寺は、真言密教のうちでも加持祈禱や修法など、実践を重視する寺として発展。そのため、本尊となる彫刻や絵画、修法で用いる仏具といった、本格的な密教美術の数々を約15万点所蔵している。また、修法の次第や方法、本尊の図像についての記録、各時代の為政者からの帰依を表す文書なども7万点近く保有している。

見どころ

平安彫刻の傑作

「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」の注目は、中尊が2メートル近くの像容を誇る国宝《薬師如来坐像および両脇侍像》や優麗な重要文化財《如意輪観音坐像》、迫力の重要文化財《五大明王像》。これらは、醍醐寺の信仰を象徴する存在であると共に、平安彫刻の傑作に数えられる精巧な美術作品でもある。

仏像の設計図と彫刻を比較

修法や祈祷といった実践を重視する真言密教では、仏像や仏画が重要な意味を持った。醍醐寺では宗派や流派の細分化に伴い、図像の研究が盛んに行なわれ、料紙に墨線のみで描いた仏像・仏画の設計図「白描図像」が多数残存している。展覧会では、この「白描図像」と絵画や彫刻を合わせて展示し、両者を見比べることが可能だ。

為政者との関わりと近世美術

空海により日本にもたらされた真言密教は、それまでの日本仏教に無い要素から、当時の朝廷や貴族、そして台頭する武士から信仰を集めた。空海直系の弟子である理源大師聖宝が開祖である醍醐寺は、その中核寺院の1つ。足利尊氏を支えた賢俊、室町幕府の足利義満ら三人の将軍から信任された満済、応仁の乱の荒廃後に豊臣秀吉から手厚い保護を受けた義演など、醍醐寺の歴代座主は時の為政者との深い関わりを持った。

展覧会では、桃山時代に豊臣秀吉が行った有名な「醍醐の花見」に関する美術をはじめとする多数の縁の品々を並べ、為政者との関わりを紹介。その他にも三宝院の襖絵、俵屋宗達による絵画など、華やかな近世美術も展示し、近世までの変遷を辿る。

【詳細】
展覧会名：「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」
■東京展
会期：2018年9月19日(水)～11月11日(日)
※火曜休館、11月6日(火)は18時まで開館
会場：サントリー美術館(東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階)
TEL：03-3479-8600
開館時間：10:00～18:00
※金・土および9月23日(日・祝)、10月7日(日)は20:00まで開館 ※いずれも入館は閉館の30分前まで
入館料：一般 当日 1,500円、前売 1,300円／大学・高校生 当日 1,000円、前売 800円
※中学生以下無料、障害者手帳持参者は本人と介護者1名のみ無料
チケット販売場所：サントリー美術館(火曜日、展示替え期間中を除く)、チケットぴあ(Pコード768-958)、ローソンチケット(Lコード34566)、セブンチケット(セブンコード061-837)、イープラス ※コードはいずれも前売・当日券共通。
※プレイガイドでの販売は一般券のみ
※前売期間は2018年7月18日(水)～9月18日(火)、サントリー美術館受付での販売は9月2日(日)まで
※100円割引あり、詳細は公式サイトにて確認

■福岡展
会期：2019年1月29日(火)～3月24日(日)
※月曜休館、ただし2月11日(月・祝)は開館、2月12日(火)は休館
会場：九州国立博物館(福岡県太宰府市石坂4-7-2)
TEL：050-5542-8600(NTTハローダイヤル 8:00〜22:00/年中無休)
開館時間：9:30～17:00
※毎週金・土曜日は20:00まで夜間開館 ※いずれも入館は閉館の30分前まで

※各会場とも作品保護のため、会期中に展示替えを行う。