企画展「ミケル・バルセロ展」が、長崎県美術館にて、2021年6月10日(木)から7月25日(日)まで開催される。その後、2021年8月14日(土)から10月24日(日)まで三重県立美術館に、2022年1月13日(木)から3月25日(金)まで東京オペラシティアートギャラリーに巡回する。
ミケル・バルセロは、1980年代から国際的に活躍してきた、スペインが誇る現代美術家だ。生地マジョルカ島、ニューヨークやパリといった大都市、アフリカの砂漠、そしてアルプスやヒマラヤの高地など、世界各地に滞在してその文化や風土を取り込みつつ、絵画や彫刻、陶芸などの多彩な作品を手がけてきた。さらに、パルマ大聖堂の壁画装飾をはじめとする大規模なプロジェクトにも数多く携わっている。
日本初の大規模個展となる企画展「ミケル・バルセロ展」では、初期から現在に至る、代表作を含む93点の作品を展示し、飽くなき創作活動を展開してきたバルセロの全貌に迫る。
1957年にスペイン・マジョルカ島で生まれたバルセロは、ドイツ・カッセルで1982年に行われた現代美術の大規模グループ展「ドクメンタ7」で国際的にデビューし、独創的な絵画や彫刻を制作してゆく。《海のスープ》や《ファラニチのジョルジョーネ》など、華々しくデビューした時期に制作された大型の絵画作品からは、若き画家の熱気あふれる創作にふれられそうだ。
「大地」は、バルセロ芸術における重要なキーワードである。とりわけ、1988年から約半年間、アフリカ・マリを拠点に制作に打ち込み、以後もこの地での制作を断続的に続けたバルセロにとって、アフリカの地は格別の意味を持つ。会場では、《紫色のスカートの少女》をはじめとして、多様な素材や技法を駆使した紙作品、砂漠での経験に触発された絵画、そして独創的な陶作品を展示する。
「海」もまた、「大地」と並んでバルセロの芸術で重要な位置を占める。幼少期からマジョルカの海を間近に眺め、時に海に潜って魚やタコを捕まえるなど、バルセロの日常と「海」は切り離せないものだった。本展では、《サドルド・シーブリーム》や《飽くなき厳格》など、海にまつわる主題やモティーフを表現した多彩な作品を目にすることができる。
バルセロは、さまざまな素材や技法を駆使し、絵画作品を手がけてきた。たとえば、画面の脱色により像を浮き上がらせることで肖像画を手がける一方、闘牛を主題とする作品群では、時を隔てて制作された作品ごとに新規の技法や表現が試みられている。本展では、「変化」のなかから独自のイメージを生みだすバルセロ独自の制作にも焦点を合わせ、《とどめの一突き》や《午後の最初の一頭》などの作品を紹介する。
企画展「ミケル・バルセロ展」
会期:2021年6月10日(木)〜7月25日(日)
会場:長崎県美術館 企画展示室
住所:長崎県長崎市出島町2-1
TEL:095-833-2110
開館時間:10:00〜20:00(最終入場は19:30)
休館日:6月14日(月)・28日(月)、7月12日(月)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、大学生・70歳以上 1,000円(800円)、高校生以下 無料
※( )内は前売および15名以上の団体料金
※前売券は6月9日(水)まで販売
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、障害福祉サービス受給者証、地域相談支援受給者証、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)医療受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者および介護者1名は5割減額
※開催内容は変更となる場合あり(最新情報は美術館ウェブサイトにて随時案内)
■巡回情報
・三重県立美術館
会期:2021年8月14日(土)〜10月24日(日)
住所:三重県津市大谷町11
・東京オペラシティアートギャラリー
会期:2022年1月13日(木)〜3月25日(金)
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
■終了した会場
・国立国際美術館
会期:2021年3月20日(土・祝)〜4月24日(土)
※5月30日(日)までの会期を予定していたが、臨時休館に伴い閉幕
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55