特別展「ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡」が、奈良県立美術館にて、2021年6月26日(土)から8月29日(日)まで開催される。
19世紀のイギリスで、芸術家、詩人、作家、思想家、社会運動家などとして、幅広く活躍したウィリアム・モリス。芸術と生活の統一を目指してモダン・デザインを提唱したアーツ・アンド・クラフツ運動を先導し、“モダン・デザインの父”としても知られている。
特別展「ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡」では、モリスや彼の仲間によるデザイン・工芸作品80点に加えて、写真家・織作峰子がモリスにゆかりのある風景を撮影した作品を展示し、その時々の環境とともにデザイナーとしてのモリスの足跡をたどる。
本展は、これまで光をあてられることが少なかったモリスの幼少期や学生時代に始まり、晩年に至るまでの、デザイナーとしてのモリスの生涯をひもとく展覧会だ。本格的に装飾芸術を取り組むようになった初期に手がけられた《柘榴あるいは果実》や、モチーフを反復させるデザインに磨きをかけた《るりはこべ》、色鮮やかな《いちご泥棒》といったデザイン作品とともに、その軌跡を紹介する。
1887年には、モリスの芸術思想と実践の影響のもと、アーツ・アンド・クラフツ展覧会協会が設立されるなど、モダン・デザインにおけるモリスの重要性がより高まることとなる。会場では、ウィリアム・アーサー・スミス・ベンソンがデザインを手がけた《卓上ランプ》など、モリスの仲間による作品も目にすることができる。
晩年のモリスが情熱を注いだのが書物芸術であった。1891年には私家版印刷工房を設立し、活字・用紙・挿絵・装幀にこだわりぬいて理想の書物を追究した。本展では、モリス自身が書いたファンタジー小説である『世界のかなたの森』なども展示する。
特別展「ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡」
会期:2021年6月26日(土)~8月29日(日)
会場:奈良県立美術館
住所:奈良県奈良市登大路町10-6
開館時間:9:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(8月9日(月・振替休日)は開館)、8月10日(火)
観覧料:一般 1,200円、大・高生 1,000円、中・小生 800円
※団体料金の設定はなし
※身体障がい者手帳・療養手帳・精神障がい者保健福祉手帳の所持者と介助者1人、外国人観光客(長期滞在者・留学生を含む)と付添の観光ボランティアガイドは無料
【問い合わせ先】
奈良県立美術館
TEL:0742-23-3968