企画展「つながる琳派スピリット─神坂雪佳」が、富山県水墨美術館にて、2021年6月22日(火)から8月1日(日)まで開催される。その後、京都の細見美術館、東京のパナソニック汐留美術館などに巡回する。

神坂雪佳が受け継ぐ琳派の精神

神坂雪佳(かみさか せっか)は、幕末の京都に生まれた図案家・画家だ。はじめ雪佳は、京都画壇の中心勢力であった四条派の画法を学ぶものの、明治という新しい時代には工芸図案、つまりデザインが必要だと考える。そして、西洋文明を意識しつつも琳派の装飾芸術に傾倒し、多彩なデザインを手がけた。

また、その作品「八つ橋」は、エルメス(HERMÈS)が発行する雑誌『エルメスの世界』の表紙を飾り、巻頭カラーで雪佳特集が組まれるなど、その魅力は現在も評価されている。

企画展「つながる琳派スピリット─神坂雪佳」では、雪佳が手本とした琳派の源流をたどりつつ、近代琳派・神坂雪佳の多彩なデザイン世界を紹介する。

雪佳の多彩なデザイン

雪佳は、染織や陶芸、漆芸から、室内装飾、庭園まで、暮らしを彩る多彩なデザインの仕事を手がけた。会場では、《金魚玉図》や《杜若図屛風》といった絵画や屏風に加えて、《鹿図蒔絵手元箪笥》や《水の図向付皿》などを図案とともに紹介する。

琳派の源流をたどる

雪佳の多面的な活動は、本阿弥光悦や尾形光琳ら、琳派の柔軟な活動に倣うものであった。本展では、絵画や工芸にとどまらずさまざまな意匠を生みだし、近代以降も多くの分野に影響を与えた琳派の流れにも着目。俵屋宗達《双犬図》、尾形光琳《柳図香包》、酒井抱一の《槇に秋草図屛風》や《鹿楓図団扇》などから、装飾性豊かなその源流をたどる。

展覧会概要

企画展「つながる琳派スピリット—神坂雪佳」
会期：2021年6月22日(火)～8月1日(日)
会場：富山県水墨美術館
住所：富山県富山市五福777
休館日：月曜日
開館時間：9:30〜18:00(入室は17:30まで)
観覧料：
・一般＝土日祝 1,300円、平日 1,200円、団体 1,000円、前売券(6月21日まで販売) 1,000円
・大学生＝1,000円、団体 700円
※団体は20人以上
※前売券の販売所についての詳細は美術館ホームページにて確認
※企画展観覧券で常設展も観覧可
※小学校・中学校・高校等の児童・生徒およびこれらに準ずる者、各種障がい者手帳の所持者は観覧無料
※大学生料金の対象は、大学、大学院、短期大学、高等専門学校(4学年以上)、専修学校(専門課程)、専修学校(一般課程の19歳以上)、通信制大学、放送大学(チケット購入時に学生証を提示)
※会場の混雑状況に応じて入場を制限する場合あり
※内容などは変更となる場合あり(最新情報は美術館ウェブサイトなどにて確認)

■巡回情報
・長野会場
会期：2021年8月7日(土)～9月26日(日)
会場：水野美術館(長野県長野市若里6-2-20)
・京都会場
会期：2022年4月23日(土)～6月19日(日)
会場：細見美術館(京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
・東京会場
会期：2022年10月29日(土)～12月18日(日)
会場：パナソニック汐留美術館(東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル 4F)
・三重会場
会期：2023年10月6日(金)〜11月26日(日)
会場：パラミタミュージアム(三重県三重郡菰野町大羽根園松ヶ枝町21-6)
・広島会場
会期：2025年1月25日(土)〜3月23日(日)
会場：ふくやま美術館(広島県福山市西町2-4-3)

【問い合わせ先】
富山県水墨美術館
TEL：076-431-3719