千葉・佐倉の国立歴史民俗博物館では、特集展示「黄雀文庫所蔵 鯰絵のイマジネーション」を、2021年7月13日(火)から9月5日(日)まで開催する。
江戸時代は多くの地震に見舞われたことが知られている。とりわけ幕末には大きな地震が相次いで発生し、そのなかでも1855年の安政江戸地震は江戸の町に甚大な被害をもたらした。
安政江戸地震の直後から、被災状況を伝える瓦版をはじめ、さまざまな刷物が売り出された。なかでも、地震の元凶とされた地中の大鯰を描いた、今日「鯰絵」と呼ばれる版画は、同年12月に当局から禁止されるまでのあいだに200種を越えるものが発行されたという。そこには、地震への怖れや震災後の世相に対する風刺、世直しへの願望など、民衆が抱いた多様な思いが映しだされている。
特集展示「黄雀文庫所蔵 鯰絵のイマジネーション」は、鯰絵の作品約200点を通して、大地震の被害を受けながらも諧謔の精神でもってそれを乗り越えようとした江戸の人びとの豊かな想像力の一端を紹介する企画だ。
会場では、「鯰と要石」のように地震の原因である鯰とそれを制する神々の姿を描いた鯰絵や、震災により財産を失った富裕層や仕事を失った職種、逆に震災復興のなかで潤った職種を描いた「鯰のけんくわ」といった作品を展示。
また、「傾城あだなの焚」のように歌舞伎の名場面を巧みにパロディー化した鯰絵、世直しに期待する民衆の想いをうかがわせる「鯰の切腹」や「地震けん」などを紹介するほか、従来あまり知られていなかった鯰絵出版のメカニズムにも光をあてる。
特集展示「黄雀文庫所蔵 鯰絵のイマジネーション」
会期:2021年7月13日(火)~9月5日(日)
会場:国立歴史民俗博物館 企画展示室A
住所:千葉県佐倉市城内町117
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(8月9日(月・休)は開館)
※開館日・開館時間は変更となる場合あり
料金:一般 600円、大学生 250円、高校生以下 無料
※総合展示もあわせて観覧可
※高校生・大学生は学生証などを提示(専門学校生など高校生・大学生に相当する生徒、学生も同様)
※障がい者手帳などの保持者は、手帳提示により、介助者とともに入館無料
※半券の提示で当日に限りくらしの植物苑に入場可
※出品作品などは変更となる場合あり
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)