展覧会「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物 ~事実も小説も奇なり~」が、東京の弥生美術館にて、2021年10月2日(土)から2022年1月23日(日)まで開催される。
『痴人の愛』や『春琴抄』、『細雪』などを著し、世界的にも高く評価される小説家・谷崎潤一郎。作品自体の魅力はさることながら、「事実は小説より奇なり」という言葉のとおり、谷崎はその生涯自体も波瀾万丈、驚きのエピソードに溢れている。そうした実生活の出来事は作品に反映され、主要な登場人物も実在の人びとをモデルにかたち作られた。
展覧会「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物 ~事実も小説も奇なり~」では、小説家・中河與一が谷崎潤一郎の生涯を書いた作品『探美の夜』に添えられた田代光の挿絵を用いて、谷崎の人生、そして谷崎文学の登場人物のモデルとなった人びとを紹介。挿絵原画69枚を初公開するとともに、谷崎をめぐる人びとが着用した着物や装飾品の数々も展示する。
本展で焦点を合わせるのは、谷崎文学のモデルになった人びと。『お艶殺し』などに登場する悪女型のヒロインのモデル「初」、谷崎の最初の妻「千代」、千代の妹であり、『痴人の愛』のヒロイン・ナオミのモデルとなった「せい」、3度目の妻であり、その姉妹とともに『細雪』のモデルとなった「松子」らを取り上げ、作品の魅力とともに紹介する。
また、会場では、谷崎をめぐる人びとをモデルとして生みだされた作品の登場人物の装いを、アンティーク着物で再現。西洋の都会の夜景を描いた『蓼食ふ虫』の着物や、『痴人の愛』ナオミの着物など、登場人物の強い個性を担う衣裳の数々を目にすることができる。
展覧会「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物 ~事実も小説も奇なり~」
会期:2021年10月2日(土)〜2022年1月23日(日)
会期:弥生美術館
住所:東京都文京区弥生2-4-3
休館日:月・火曜日(11月23日(火・祝)、1月10日(月・祝)は開館)、年末年始(12月27日(月)〜1月3日(月))
開館時間:10:30〜16:30(入館は16:00まで)
入館料:一般 1,000円、大・高生 900円、中・小生 500円
※竹久夢二美術館と2館あわせて観覧可
※入館にはオンラインによる事前予約(日時指定)が必要
※休館日・開館時間は変更となる場合あり(最新情報については美術館ホームページを確認のこと)
撮影:大橋愛
着物協力:田中翼アンティーク着物コレクション
※展覧会にあわせて、図録相当の書籍『谷崎潤一郎をめぐる人々と着物』(東京美術)刊行
【問い合わせ先】
弥生美術館
TEL:03-3812-0012