東京都写真美術館では、展覧会「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」を、2021年11月6日(土)から2022年1月23日(日)まで開催する。
写真・映像分野の新進作家を紹介している「日本の新進作家」展。その18回目となる本展では、「記憶は地に沁み、風を越え」をテーマに、身体、土地と風景、そしてその記憶が取り結ぶ関係性を多彩な視点から探る作家5組6人を取り上げる。
本展に出品するのは、吉田志穂、潘逸舟、小森はるか+瀬尾夏美、池田宏、山元彩香。吉田志穂は、インターネットでの画像検索によって場所をリサーチし、実際にその場所に訪れて撮影するというデジタルとアナログを往来する手法によって、風景やイメージの多層的な時空間を表現している。潘逸舟は、自身のパフォーマンスによる映像などを通して、他者と自己の関係性を探求してきた。
また、アートユニットの小森はるか+瀬尾夏美は、2011年3月、東北の被災地にボランティアとして赴いたことを契機に活動を開始し、自然災害とそこに暮らす人びと、そしてその伝承や語りを作品化してきた。
池田宏は10年以上にわたってアイヌの人びとを撮影しており、先住民族という類型化では語ることができない個人の姿を捉えている。さらに山元彩香は、馴染みのない国や地域に赴き、そこで出会った少女を撮影し、その身体に潜む土地の記憶や身体の空虚さを捉えようと試みてきた。
グローバル化とボーダーレス化の様相が変容し続ける社会においても、歴史や風習、伝承など、それぞれの地域や土地がもつ記憶はさまざまな形で残り続ける。その一方で人びとの想いは、ときに風のごとく軽やかにあらゆる境界を超えて、他者と向き合うことへと誘う。本展では、そうしたなかで土地や風景とどのように対話し、他者といかにして関わりあうことができるのかを考えることができそうだ。
展覧会「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol. 18」
会期:2021年11月6日(土)〜2022年1月23日(日)
会場:東京都写真美術館 3階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合開館し、翌平日休館)、年末年始(12月28日(火)〜1月4日(火)、ただし1月2日(日)・3日(月)は臨時開館)
観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中高生・65歳以上 350円
※小学生以下および都内在住・在学の中学生、障害者手帳の所持者と介護者(2名まで)は無料
※1月2日(日)・3日(月)は無料、開館記念日のため1月21日(金)は無料
※オンラインによる事前予約が可能(詳細は美術館ホームページを参照)
※内容は変更となる場合あり(最新情報については美術館ホームページを確認のこと)
■出品作家
吉田志穂、潘逸舟、小森はるか+瀬尾夏美、池田宏、山元彩香
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099