展覧会「修復完了記念 館蔵全巻特別公開 国宝 源氏物語絵巻」が、名古屋の徳川美術館にて、2021年11月13日(土)から12月12日(日)まで開催される。
徳川美術館が所蔵する国宝《源氏物語絵巻》は、紫式部が著した『源氏物語』を絵画化した現存最古の物語絵巻だ。平安時代・12世紀前半に制作されたとされており、平安の王朝文化を象徴する名画として世界的にも知られている。
《源氏物語絵巻》は、もともと3巻の巻子装(かんすそう)であった。しかし保存と公開の観点から、1932年、紙の継ぎ目を剥がして分解し、絵と物語部分である詞書それぞれを額に入れて平面で保存する、額面装(がくめんそう)のかたちに改められた。この改装は当時としては最善の判断ではあったものの、次第にその弊害も目立つようになり、2012年から2020年春まで2期にわけて修復を行い、本来の巻子装の姿に戻したのだった。
展覧会「修復完了記念 館蔵全巻特別公開 国宝 源氏物語絵巻」では、2020年に館蔵の全15巻の修復が完了したことを記念し、前後期で展示替えを行いつつ、《源氏物語絵巻》全巻を公開。額面装では分断されていた絵と詞書をひと続きとへ戻したことで、詞書の優美な仮名の流れや料紙装飾の微妙な色の変化を明確に見て取れるようになっており、詞書と絵が響きあう絵巻本来の姿で鑑賞することができる。
展覧会「修復完了記念 館蔵全巻特別公開 国宝 源氏物語絵巻」
会期:2021年11月13日(土)〜12月12日(日) 会期中に入替えあり
[前期 11月13日(土)〜30日(火) / 後期 12月1日(水)〜12日(日)]
会場:徳川美術館 本館展示室
住所:愛知県名古屋市東区徳川町1017
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,400円(1,200円)、高校・大学生 700円(600円)、小・中学生 500円(400円)
※( )内は、20名以上の団体料金
※毎週土曜日は高校生以下無料
■《源氏物語絵巻》展示スケジュール
・前期:11月13日(土)〜30日(火)
蓬生、柏木一、柏木三、竹河一、橋姫、早蕨、宿木二、東屋二
・後期:12月1日(水)〜12日(日)
関屋・絵合、柏木二、横笛、竹河二、宿木一、宿木三、東屋一
【問い合わせ先】
徳川美術館
TEL:052-935-6262