展覧会「浅田政志 だれかのベストアルバム」が、茨城の水戸芸術館現代美術ギャラリーにて、2022年2月19日(土)から5月8日(日)まで開催される。

写真家・浅田政志、最大規模の個展が開催

「家族」と「記念写真」をテーマに活動する写真家、浅田政志。2008年の『浅田家』以来、浅田は自身の家族を被写体に、自らも加わってさまざまなシチュエーションを演じる撮影手法によって、時とともに変わる家族の姿を取り込みつつ作品を手がけてきた。また、2020年には、著書『浅田家』と『アルバムのチカラ』を原案とした映画『浅田家！』も公開されている。

展覧会「浅田政志 だれかのベストアルバム」は、浅田の制作の原点から最新作まで、その活動をたどる最大規模の個展だ。会場では、浅田自身の言葉を案内役に、これまでに発表された全シリーズを展示。加えて、最新作『私の家族』茨城版を発表するとともに、震災後10年を迎えた岩手県野田村の写真返却活動の現在も紹介する。

浅田政志の全シリーズを展示

本展では、浅田政志による全シリーズを総覧。代表作『浅田家』を筆頭に、『NEW LIFE』、『浅田家全国版』、『せんねん』、『一点』、『私の家族』などを展示する。さらに、浅田から家族へのQ&Aも加え、家族との関わりから浅田の活動をひもといてゆく。

最新作『私の家族』を公開

浅田の最新作『私の家族』は、家族がそろってカメラに向かう家族写真ではなく、ある1人の視点で捉えた家族観を、浅田による複数の写真と参加者による文章によって表す作品だ。ここで参加者は、被写体であるのみならず、自身の家族にまつわる記憶を浅田とともに表現する共同制作者として位置づけられる。本展では、撮影者と被写体の関係をより相互的なものへと変える『私の家族』シリーズを展示。なかでも、茨城県在住の5組の家族と撮りおろした『私の家族』茨城版は、本展で初公開となる。

東日本大震災後の写真 返却活動を紹介

2011年3月の東日本大震災後、岩手県野田村で、浅田は津波に流された写真を洗浄するボランティア活動に携わった。これを契機に浅田は、アルバムを作り、大切な人の記憶が像となった写真を残すことの大切さを伝える活動を行なっている。本展では、野田村の写真返却活動の今を紹介するとともに、水戸芸術館で実際に開催されたワークショップ「私の一枚」 の参加者による作品も展示する。

展覧会概要

展覧会「浅田政志 だれかのベストアルバム」
会期：2022年2月19日(土)〜5月8日(日)
会場：水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所：茨城県水戸市五軒町1-6-8
開場時間：10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日：月曜日(3月21日(月・祝)は開館)、3月22日(火)
入場料：一般 900円、団体(20名以上) 700円
※高校生以下／70歳以上、障害者手帳などの所持者と付添者1名は無料(学生証、年齢のわかる身分証明書が必要)
※学生とシニアための特別割引デー「First Friday」：学生証の所持者と65〜69歳は、毎月第一金曜日(3月4日、4月1日、5月6日)に100円で観覧可

【問い合わせ先】
水戸芸術館(代表)
TEL：029-227-8111