「瀬戸内国際芸術祭2022」が、香川県の瀬戸内海に浮かぶ島を舞台に開催される。日程は、春・夏・秋の3会期に分かれ、春は5月18日(水)まで、夏は8月5日(金)から9月4日(日)まで、秋は9月29日(木)から11月6日(日)まで開催される。
1年を通じて温暖な気候に恵まれ、晴れの日が多い瀬戸内海。世界で初めて旅行会社を創ったトマス・クックが「(欧州各国の湖の)最も良いところだけとって集めて一つにしたほど美しい」とも語った瀬戸内海の景色の美しさは、国内外の多くの人を魅了してきた。
そんな瀬戸内海に浮かぶ島と港を舞台に、3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」は、アート作品を通して島の魅力を表現する現代アートの祭典。世界各国からアーティストが参加し、地元の人の協力を得ながら制作した作品を、のんびり船で島を巡りながら鑑賞することができる。
通算5回目となる2022年は、直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島といった12の島、高松港と宇野港の2つの港に加えて、本土側にも作品を展開。「島のおじいさんおばあさんの笑顔を見たい」をテーマに掲げている。
“アートの島”として知られ、芸術好きが集まる直島には、李禹煥(リ・ウファン)美術館、ベネッセハウスミュージアム、地中美術館の3つの美術館をはじめ、島中がアートに溢れている。全てまわるなら1日では足りないほど見どころが満載だ。バスで回るのもいいが、ひとつひとつ小さな作品まで欠かさずに鑑賞するのならレンタサイクルで回るのがおすすめ。
宮浦港にある海の駅「なおしま」のすぐ近くに屋外展示されている、草間彌生の作品「赤かぼちゃ」が旅人たちを迎える。島の東側にある直島港ターミナルは、入道雲のようにも見えるユニークな建築で、待合室や駐輪場、トイレ機能を持つ直島のランドマークともいえるスポットだ。
島に点在していた空き家などを改修し、家の空間そのものをアート作品化した「家プロジェクト」の作品は、島に点在しており、席圧が営まれている本村を散策しながら、鑑賞を楽しむことができる。
3月12日(土)にオープンしたばかりの2つのアート施設も必見。李禹煥(リ・ウファン)美術館の向かいの山間に位置する「ヴァレーギャラリー」には、大量のミラーボールから構成される草間彌生の《ナルシスの庭》を大規模に展示しているほか、2006年より恒久展示されている小沢剛の《スラグブッダ88 ─豊島の産業廃棄物処理後のスラグで作られた88体の仏》も、一部改変して設置している。
もうひとつの「杉本博司ギャラリー 時の回廊」は、ベネッセハウス パークにおける杉本博司作品の展示空間を、周辺のラウンジやボードルーム、屋外にまで拡大したもの。写真作品やデザイン、彫刻作品など、杉本を代表する作品群を継続的かつ本格的に鑑賞できる、世界的にも類を見ないギャラリーだ。
■直島で楽しめる主なアート
<宮ノ浦>
「赤かぼちゃ」草間彌生:香川県香川郡直島町宮浦2249-49
海の駅「なおしま」妹島和世 + 西沢立衛 / SANAA:香川県香川郡直島町2249ー40
「BUNRAKU PUPPET」ジョゼ・デ・ギマランイス:香川県香川郡直島町
「直島パヴィリオン」藤本壮介:香川県香川郡直島町宮ノ浦3771
直島銭湯「I♥湯」大竹伸朗:香川県香川郡直島町2252-2
<本村>
The Naoshima Plan 「水」三分一博志:香川県香川郡直島町本村707
「直島港ターミナル」妹島和世 + 西沢立衛 / SANAA:香川県香川郡直島町本村
「ANDO MUSEUM」安藤忠雄:香川県香川郡直島町本村734
「家プロジェクト 角屋」宮島達男:香川県香川郡直島町本村803
「家プロジェクト 石橋」千住博:香川県香川郡直島町本村885
<ベネッセハウス周辺>
「ベネッセハウス ミュージアム」安藤忠雄:香川県香川郡直島町 琴弾地
「地中美術館」安藤忠雄:香川県香川郡直島町3449-1
「杉本博司ギャラリー 時の回廊」杉本博司:香川県香川郡直島町
「ベネッセハウス ミュージアム ヴァレーギャラリー」安藤忠雄 / 草間彌生 / 小沢剛:香川県香川郡直島町 琴弾地