原美術館が、2014年1月11日(土)から3月30日(日)までの期間、展覧会「ミヒャエル ボレマンス:アドバンテージ」を開催する。ベルギーを代表する現代美術作家ミヒャエル ボレマンスの、日本の美術館では初めての個展となる。
ボレマンスは、30代に入った1990年代半ば、それまでの写真による表現から絵画へと転向し、急速に評価の高まった作家。ベラスケスやマネなどの近世・近代絵画に影響を受け、シュルレアリスムのエッセンスも含んだ彼の作品の中には、静けさの中に謎めいた気配が漂う。モチーフとして描かれる人物は、どれも時間的・空間的に現実から切り離され、儀式や作業をただただ行うばかり。「彼らが実際に誰であるか、何をしているかに特別な意味はありません。これらはもっと普遍的、象徴的なメタファーなのです」と作者が語るように、理論化されることを意図的に避けたイメージは、観る者を深い思索へと誘う。
また、あまりに作品と厳しく向き合うため、制作した数に比べて、完成作として世に出す作品数が圧倒的に少ないことでも知られるボレマンス。今回はその彼が、自身で選んだ作品を30点余り展示するという、滅多にない機会だ。
制作する作品について、「私の心を動かすような、私を傷つけるようなものでなければなりません。まさに“目にナイフ”ですね」と独自の見解を語るミヒャエル ボレマンス。満を持して開催される原美術館での個展に、大きな注目が集まる。
【開催情報】
ミヒャエル ボレマンス:アドバンテージ(英題 Michaël Borremans: The Advantage)
会期:2014 年1月11日(土)〜 3月30日(日)
場所:原美術館
住所:東京都品川区北品川4-7-25
開館時間:11:00〜17:00(水曜は20:00まで/入館は閉館時刻の30分前まで)
入館料:一般 ¥1,000、大高生 ¥700、小中生 ¥500
※原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料。
※20名以上の団体は1人100円引。
TEL:03-3445-0651
■ドキュメンタリー映像「A Knife in the Eye」(英語版/53分)
日時:毎週水曜日(1日3回 17:00〜、18:00〜、19:00〜)
場所:原美術館 ザ・ホール
参加費:無料(要入館料)
定員:各回50名
※事前の申込は必要なし。