四国のおすすめ美術館を特集。愛媛・香川・徳島・高知にある美術館やギャラリーの情報をまとめた。美術館の建築や見ることができるアート作品はもちろん、展覧会スケジュールを紹介するほか、各詳細からはアクセスや観覧料などもチェックすることが可能だ。
愛媛県美術館は、「みる・つくる・まなぶ」をモットーに、美術作品を鑑賞する展示室だけでなく、版画や木工、粘土などで作品を作ることのできる「県民アトリエ」も備え、それらを通して学ぶことができる参加創造型の施設となっている。愛媛にゆかりのある作家の作品をはじめ、モネやセザンヌなどの海外作家や、岸田劉生や藤田嗣治ら近代日本の代表的な洋画家の作品、日本画なども収蔵している。
地中美術館は、「ベネッセアートサイト直島」として展開されている、直島にある美術館。建築の設計は安藤忠雄による。建物の大半が地下に埋設されており、安藤忠雄による建築の主要な素材であるコンクリート、鉄、ガラス、木を使用し、デザインを極限まで切りつめて設計されている。建物の内部では、クロード・モネの「睡蓮」シリーズを自然光の下で展示するほか、ジェームズ・タレルやウォルター・デ・マリアの作品が恒久設置されている。
李禹煥美術館は、「ベネッセアートサイト直島」として展開されている、直島にある美術館。日本の美術動向「もの派」を代表する作家として、国際的にも注目されてきた現代美術家・李禹煥と、建築家・安藤忠雄のコラボレーションによる美術館。半地下構造の建物の内部では、李禹煥の1970年代から現在に到るまでの絵画や彫刻を紹介している。
ベネッセハウス ミュージアムは、「ベネッセアートサイト直島」として展開されている、直島にある美術館。建築の設計は安藤忠雄による。「自然・建築・アートの共生」をコンセプトとしており、美術館とホテルが併設されている。館内には、大竹伸朗や宮島達男、杉本博司をはじめ、デイヴィッド・ホックニー、ゲルハルト・リヒター、ロバート・ラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルなどの作品を展示している。
ヴァレーギャラリーは、ベネッセアートサイト直島にあるアートギャラリー。祠をイメージした、安藤忠雄の設計による半屋外建築であり、二重の壁による内省的な内部空間を持ちながらも半屋外に開かれ、雨や風、光といった自然の動きをそのまま感じられるギャラリーとなっている。建築内外では、草間彌生の《ナルシスの庭》、小沢剛の《スラグブッダ88 ─豊島の産業廃棄物処理後のスラグで作られた88体の仏》を展示している。
杉本博司ギャラリー 時の回廊は、ベネッセアートサイト直島にあるアートギャラリー。ベネッセハウス パークにおける杉本博司作品の展示空間を、周辺のラウンジやボードルーム、屋外にまで拡大したものであり、写真作品やデザイン、彫刻作品など、杉本を代表する作品群を継続的かつ本格的に鑑賞できる、世界的にも類を見ないギャラリーとなっている。
豊島美術館は、「ベネッセアートサイト直島」として展開されている、豊島にある美術館。アーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛による、水滴のような形をした美術館であり、柱が1本もない建物の内部は、天井の2つの開口部から周囲の風、音、光を直接取り込み、自然と建物が呼応する有機的な空間となっている。建物内の内藤礼《母型》では、内部空間のいたるところから水が湧きだし、一日を通して「泉」が誕生する。
高松市美術館は、「戦後日本の現代美術」「20世紀以降の世界の美術」「香川の美術」の3分野を軸に作品を収蔵。特に現代美術のコレクションは質・量ともに充実しており、岡本太郎や横尾忠則、村上隆、森村泰昌、奈良美智など、戦後日本を代表する現代アートの作品を見ることができる。
イサムノグチ庭園美術館は、20世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチのアトリエ・住居を活用し、生前の雰囲気そのままの環境を公開している。約150点の彫刻作品をはじめ、自ら選んで移築した展示蔵や住居イサム家、晩年制作した彫刻庭園などを目にすることができる。
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(略称・MIMOCA(ミモカ))は、丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の全面的な協力のもと、1991年に開館。建物の設計は、建築家の谷口吉生による。猪熊本人から寄贈を受けた約2万点の猪熊作品を所蔵し、常設展で紹介するとともに、現代美術を中心とした企画展を開催している。
徳島県立近代美術館は、文化の森総合公園内にある美術館。コレクションを紹介する所蔵作品展のほか、特別展を開催している。
高知県立美術館は、石元泰博やマルク・シャガールの充実したコレクションを有するほか、ヴァシリー・カンディンスキーやパウル・クレーなど表現主義の作家、高知県ゆかりの作家による作品を収蔵。館内ではこれらの収蔵作品を紹介するほか、展覧会を開催している。