兵庫・姫路市立美術館の前庭では、庭園アートプロジェクト 中谷芙二子《霧の彫刻 #47769 白鷺が飛ぶ》を、2023年3年12月(日)まで開催する。
中谷芙二子(なかや ふじこ)は、世界で初めて人工雪の結晶作りに成功した物理学者・中谷宇吉郎の娘として、1933年に生まれたアーティストだ。ヴィデオ・アート分野で黎明期から活躍する一方、人工的に霧を発生させる作品「霧の彫刻」を世界各地で発表し続けており、「霧のアーティスト」として知られている。
「霧の彫刻」は、純粋な水のみを使用し、高圧ポンプと独自に開発した微粒子ノズルによって、人工霧を発生させる作品だ。霧を発生させる方法や舞台は中谷の入念な計画に基づくものの、霧それ自体は、地形や気象といった環境に敏感に反応し、その形を自在に変えてゆく。自然に働きかけ、また自然に委ねられて千変万化するその光景自体が、「霧の彫刻」として作品化されることになる。
「霧の彫刻」の霧は、純粋な水によって生みだされているため、直に触れて、その中に入り、鑑賞者の身体の五感でもって霧の存在を具体的な環境として知覚することができる。霧を媒介に、人の身体性が呼び起こされるのだ。
本アートプロジェクトは、世界文化遺産・国宝の「姫路城」、国登録有形文化財の「姫路市立美術館」、そして13点の彫刻作品が展示されている、姫路市立美術館の庭園を一望に収める景観そのものを作品化する「庭園アートプロジェクト」の一環として展開されるもの。2022年度から3か年にわたって展開される本プロジェクトの第1弾として開催される本展では、身体性をテーマに、《白鷺が飛ぶ》と題した「霧の彫刻」作品を展開する。
庭園アートプロジェクト 中谷芙二子《霧の彫刻 #47769 白鷺が飛ぶ》
会期:2022年7月16日(土)〜2023年3年12月(日)
会場:姫路市立美術館 前庭
住所:兵庫県姫路市本町68-25
開園時間:10:00〜17:00
※9月10日(土)〜11月6日(日)の金・土曜日は20:00まで開園
※霧は以下の3通りの時間に発生:(1)10:00から1時間ごとに10分 (2)10:00から30分ごとに5分 (3)10:00から30分ごとに3分(いずれになるかは、その日の時・気候などによる)
休園日:月曜日(祝日・休日の場合のぞく)、7月19日(火)、9月20日(火)、10月11日(火)、12月28日(水)〜1月3日(火)、1月10日(火)
観覧料:無料
【問い合わせ先】
姫路市立美術館
TEL:079-222-2288