秋のデザインイベント「東京ミッドタウン デザインタッチ 2022(Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022)」が、2022年10月14日(金)から11月3日(木・祝)までの期間、東京ミッドタウンにて開催される。
「東京ミッドタウン デザインタッチ」は、“デザインを五感で楽しむ”をコンセプトに、2022年で15回目の開催を迎える秋のデザインイベント。国内外の第一線で活躍するクリエイターが参加し、東京ミッドタウン内の芝生広場やガーデンでインスタレーションを展示する大型企画だ。
2022年のテーマは、「環(めぐ)るデザイン - Design for Sustainable Future -」。人々の生活が大きく変化し、新しい価値観が次々と生まれている今、本当に大切にしたいものをこの先も残していくためには何ができるのか。本イベントでは、「持続可能な未来へのヒント」を、デザインを通して探っていく。
注目は、建築家・永山祐子が設計した、“海の波”をモチーフにした大型インスタレーション「うみのハンモック」。波のように見える連なりはハンモックで構成されており、鑑賞するだけでなく、休んだり、遊んだりすることができる。
なお、本展示は“海洋ゴミ問題”をテーマに制作されたもの。大きな波を描くハンモックには、廃棄漁網をアップサイクルしたオリジナルの糸を使用しているのがポイントだ。ハンモックは展示が終わると再利用され、また様々なモノに生まれ変わるという。
「農業」という切り口で展示を行うのは、デザインユニット「ENERGY MEET」。今後深刻になっていく世界的な食糧危機に対して「積極的な農地確保」と「持続可能性」の両立をどう行っていくかに注目した。
彼らが制作したのは、農園が立体展開する“都市型農業”の可能性を切り拓く実験的インスタレーションだ。栽培基盤やエネルギーなど、農業に必要とされる様々な要素を分解し、ユニット化。それらをブロックのように組み合わせ、積み重ねることで、農業という循環システムを簡単に構築できるようデザインした。
また、ミッドタウン・ガーデン内には約2000個にも及ぶ“花のようなオブジェ”が登場。これは、「TAKT PROJECT」が独自に開発した「熱で硬くなる生地」に部分的に熱をかけて制作したもの。夜になると、オブジェがほのかに灯る幻想的な空間を楽しむことができる。
花のオブジェは、ミッドタウン・ガーデンの植物で草花染めをしているのが特徴。「人工物」に、土地との結びつきを与えることで、その環境と繋がり「環るデザイン」を創りあげた。
クリエイター集団「CORNER」が制作するのは、生命の多様性が感じられるインスタレーション「Life Beat」だ。哺乳類はどの動物でも一生の間に心臓が20億回打つと言われており、小さな生きものの脈は人よりもずっと速く、逆に大きい生きものは遅く脈打つ。この作品では、そんな動物ごとの脈のリズムをライトで明滅。多様性の象徴であり、生命の繋がりの証でもある“心拍”を可視化した。
また、作品全体が大きな光の集合体となり、それらが同一方向に歩いていく様子には、「人間単体ではなく多様な生物との関わり合いによって、生命が続いていく」というメッセージが込められている。
プラザB1 メトロアベニューでは、次世代を担うデザイナーやアーティストの発掘と応援、その先のコラボレーションを目的とするコンペティション「東京ミッドタウン アワード 2022」の応募作品から選出された作品を展示。受賞結果は、イベントスタートの前日10月13日(木)に公式サイトなどを通じて発表予定だ。
不規則な自然現象をモチーフとした3Dプリントプロダクトを展示する「NEWGAMES(ニューゲームズ)」。形を変えながら半永久的に使い続けることができる、ゲームのような体験を提案する。