展覧会「本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション」が、東京の練馬区立美術館にて、2023年2月26日(日)から4月16日(日)まで開催される。
「本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション」は、絵画と本の結びつきに着目して、日本画や洋画、西洋絵画、そして貴重書を紹介する展覧会だ。12世紀から20世紀までの書物と絵画のあわせて展示することで、ふたつの分野が関わり合いつつ歩んできた足跡をたどってゆく。
本展では、中世からルネサンス、そして近代に至る書物の展開を紹介。15世紀半ばに印刷術が生まれるまで、本は人間の手によって作られており、特に写本の歴史は1,000年以上に及ぶ。なかでも「彩飾写本」は、多彩な色や金で装飾と挿絵を施した写本であり、限られた人びとだけが所有できるものであった。そして活版印刷が登場すると、従来とは比較できないほどのスピードで本づくりが可能となった。
会場では、今なお輝きを放つ時祷書零葉といった中世の写本を紹介。また、世界でもっとも美しい本とも評される『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』をはじめとするルネサンス期の印刷本を展示し、写本の伝統がいかに引き継がれたのかを探る。
19世紀のイギリスでは、中世やルネサンス期の書物への関心が高まり、その影響のもとで多くの出版社が設立された。美しい本づくりを目指したプライヴェート・プレスのひとつが、印象派の画家カミーユ・ピサロの息子、リュシアン・ピサロによるエラニー・プレスだ。本展では、国内随一のエラニー・プレスのコレクションを、ゆかりの画家や同時代の書物とともに紹介する。
また、20世紀に入ると、フランスでは芸術家が挿絵を手がけた豪華本が盛んに作られるようになった。一方、パブロ・ピカソは詩や戯曲によって、絵画とは異なる作品世界を展開した。会場では、カンディンスキーをはじめとする画家と本の関わりにも光をあてる。
展覧会「本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション」
会期:2023年2月26日(日)〜4月16日(日)
会場:練馬区立美術館
住所:東京都練馬区貫井1-36-16
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,000円、高校生・大学生・65〜74歳 800円、中学生以下・75歳以上 無料
※各種割引制度あり
※一般以外(無料・割引対象者)は年齢などを確認できるもの持参
※画像・写真の無断転載を禁ずる。
【問い合わせ先】
練馬区立美術館
TEL:03-3577-1821