東京の旧岩崎邸庭園では、「金唐革紙」に着目した展示「旧岩崎邸で楽しむ金唐紙の世界」を、2022年12月17日(土)から2023年1月15日(日)まで開催する。
1896年(明治29年)、三菱第3代社長の岩崎久彌の本邸として造られた旧岩崎邸庭園。かつては20棟もの建物が並んでいたものの、現在はそのうち洋館、和館、そして撞球室の3棟が残っている。なかでも洋館は、鹿鳴館を手がけたイギリス人建築家ジョサイア・コンドルの設計による西洋木造建築であり、同時期の西洋建築にはない繊細なデザインを今に伝えている。
旧岩崎邸庭園の洋館2階には、「金唐革紙(きんからかわし)」という貴重な壁紙が貼られた客室がある。金唐革紙とは、ヨーロッパで動物の革を用いて作られていた「金唐革」を和紙で再現したもの。明治期には欧米で高く評価され、日本の芸術産業として盛んに輸出が行わていた。しかし、昭和初期になると新技術の登場や需要の減少によって衰退。昭和の終わり頃にその技術を復元することが試みられ、「金唐紙(きんからかみ)」と呼ばれるようになった。
「旧岩崎邸で楽しむ金唐紙の世界」では、金唐革紙に着目した展示を展開。昭和60年頃より各地の重要文化財復元の際に使用された金唐紙の絵柄に加えて、金唐紙の技術を用いた額絵やパネル、茶席で使用される風炉先(ふろさき)屏風なども展示する。
旧岩崎邸で楽しむ金唐紙の世界
会期:2022年12月17日(土)~2023年1月15日(日)
会場:旧岩崎邸庭園 洋館、和館
住所:東京都台東区池之端1
開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
入園料:一般 400円、65歳以上 200円
※小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料
【問い合わせ先】
旧岩崎邸庭園サービスセンター
TEL:03-3823-8340