特別展「国宝・燕子花図屏風─光琳の生きた時代 1658-1716─」が、東京・南青山の根津美術館にて、2023年4月15日(土)から5月14日(日)まで開催される。
尾形光琳は、町人文化として花開いた元禄文化を代表する絵師として捉えられている。光琳が40歳代半ばに手がけた代表作《燕子花図屏風》(国宝)は、このイメージの中心にあるものだといえる。
しかし、光琳の生きた時代の美術史を俯瞰するならば、より多様な側面を見てとることができる。すなわち、光琳の前半生は、宮廷や幕府が主導した近世前期の芸術文化のなかにある一方、後半生は、円山応挙や伊藤若冲といった民間出身の絵師が活躍した京都画壇の流れに先駆ける位置にあるのだ。
特別展「国宝・燕子花図屏風─光琳の生きた時代 1658-1716─」では、光琳が生きた約60年の期間に焦点を合わせ、江戸時代の美術の諸相を紹介。光琳の《燕子花図屏風》を中心に、この時期に制作された絵画などを展示する。
本展は、幕府の御用絵師として活躍した狩野探幽の《両帝図屏風》など、伝統的な画派の作品からスタート。そして、光琳の父であり、江戸初期における上層町衆の美意識を伝える宗謙の和歌巻や、琳派の祖・俵屋宗達の後継者である喜多川相説による清新な草花図《四季草花図屏風》などを経て、《燕子花図屏風》をはじめとする光琳の金屏風を紹介する。
展示の終盤では、18世紀初頭の美術に着目。《伊勢参宮道中図屏風》は、元禄年間、京都からのお伊勢参りの旅の様子を描いた屏風だ。画面内には、道中の名所や風俗などが描きこまれており、街道で人気を集めた土産物「大津絵」を制作・販売する様子も表されている。会場では、大津絵を屏風に仕立てた《大津絵貼交屏風》も目にすることができる。
特別展「国宝・燕子花図屏風─光琳の生きた時代 1658-1716─」
会期:2023年4月15日(土)〜5月14日(日)
会場:根津美術館
住所:東京都港区南青山6‐5‐1
開館時間:10:00〜17:00
※5月9日(火)から5月14日(日)までの期間は19:00まで開館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(5月1日(月)のぞく)
入館料:一般 1,500円(1300円)、学生 1,200円(1,000円)、中学生以下 無料
※オンラインでの日時指定予約制(4月11日(火)より美術館ホームページにて受付開始予定)
※( )内は障害者手帳の提示者および同伴者1名の料金
※当日券(一般1,600円)も美術館受付にて販売(予約済みの来館者を優先して案内するため、当日券での来館者は待つ場合あり。混雑状況によっては当日券を販売しない場合あり)
■日時指定予約制
・来館希望時間帯の1時間前までに根津美術館ホームページ上にて日時指定券を購入(クレジットカード決済のみ)
・招待はがきを所持していて入館無料の場合も予約が必要
【問い合わせ先】
根津美術館
TEL:03-3400-2536 (代表)