リズ クレイボーン(Liz Claiborne)は1929年、ベルギーのブリュッセル生まれ。アメリカのニューオーリンズやルイジアナで育ったリズ クレイボーンは、ニューヨークで50年代にデザイナーとしてのキャリアをスタートさせた。
いくつかのファッションブランドで経験を積んだ後、1976年、リズ クレイボーンがトレンドに敏感なキャリアウーマン向けのコレクションを発表。少数の友人とリズ クレイボーン社をスタート。流行よりも実用性を追求したデザイナーの一人と言える。
リズ クレイボーンのキャリアウーマン向けファッションは時代の流れにのり、50万ドルの資金からスタートした会社は、数百万ドル規模の巨大な企業へと成長。
アメリカのファッションブランド、ダナ キャランやアイザック ミズラヒなどがビジネス面で苦戦したのに対し、リズ クレイボーンはデザイン性よりも常に着る人の立場でデザインを続け、現在に至るまでファッション業界で事業を伸ばし続けた。
ケイト・スペード ニューヨークなどを傘下に持ち、ナルシソ ロドリゲスのブランドに出資しているなどブランドビジネスや援助も積極的に行う。
アメリカファッション界では、トミー・フィルフィガー、メンズのラルフ ローレン、レディースのリズ クレイボーンといったかたちでの人気を集めていた。
2007年、6月26日、がんのため死去した。享年78歳。リズ クレイボーン社の社のビル・マッコム(Bill McComb)は、「リズ クレイボーンを亡くして、私たちはただ単に会社の創立者という存在だけでなく、30年前にファッション業界に革命を起こした人々に感動を与える一人の女性を失った」とコメントした。また同年、ナルシソ ロドリゲスに出資し提携関係を結ぶが、2008年にはシナジーが生まれなかったことを理由に提携を解除している。
2008年、クリエイティブ・ディレクターにアイザック ミズラヒが就任することが決定。ミズラヒはレディースのデザイン全般を統括し、ウェア、アクセサリー、ライセンス商品の管理などを行う。また、ジョン バートレットがメンズウェアラインのデザイナー就任した。