企画展「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」が、21_21 DESIGN SIGHTにて2017年6月23日(金)から10月1日(日)まで開催される。
フローティング・ピアーズ、イタリア・イセオ湖、2014-16でのクリスト(Photo:Wolfgang Volz)
クリエイターたちが、綿密な計画を練り、多くの人たちと賛同を得ながら「壮大なプロジェクト」を実現する様子は、その作品を見るものに「そこまでやるか」という驚きに似た感情を呼び起こす。本展は、既存の表現方法の垣根を超えた大胆な発想を実現するクリエイターによる、そうした「壮大なプロジェクト」との出会いの場だ。
クリストとジャンヌ=クロードによる、3kmにわたって水面に浮かぶ布でできた桟橋「フローティング・ピアーズ」は注目作品のひとつ。2016年6月、イタリアのイセオ湖に出現したこの浮き橋は風景を一変させた。本展では、同作の製作現場に迫るドキュメント映像を世界初公開するほか、彼らの50年を超える創作活動をニューヨークのスタジオで撮り下ろしたインタビュー映像の上映を実施。写真・映像の3面をマルチプロジェクションで紹介する。「自分たちが見てみたいから」そんな単純な理由から完成したとは思えない、壮大なスケールを体感できる。
浅井裕介
「yamatane」(2014年) © Yusuke Asai, Courtesy of URANO and Rice University Art Gallery
(Photo:Nash Baker)
また、会場には、日本作家たちの作品も多数出展されている。その一人である石上純也は、独自のアプローチでランドエスケープなどを手掛けてきた建築家。本展では、中国山東省の渓谷で現在進行中の幅1.35×高さ45mの教会のプロジェクト模型を通して彼の創作活動を追う。また、泥や絵具などを用いて絵画を制作する淺井裕介は、この土地ならではのクリエーションを試みる。本展にて出展される新作は、これまで各地で採取した土に加え、東京ミッドタウン内の土を利用した、過去に手掛けた泥絵の具による作品に新たな命を吹き込むようなダイナミックな作品だ。
ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ
「福島での開催の様子」(2015年)
こうした型破りなプロジェクトは、時にはバカバカしいと思えるかもしれない。以上にあげた3名のクリエイター以外にも、ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァによる500人が入れる風船、長さ3,200メートルに及ぶダニ・カラヴァンの彫刻などを紹介するが、いずれも人知を超える発想と膨大な作業によって作品が形となっている。しかしあらゆる常識を逸脱したプロジェクトだからこそ、私たちに新たな体験を促し、これまで思いもつかなかった楽しさと価値観を気づかせてくれる。
【詳細】
企画展「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」
会期:2017年6月23日(金)~10月1日(日)
会場:場所:21_21 DESIGN SIGHT
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
休館日:火曜日
開館時間:10:00~19:00
※六本木アートナイト特別開館時間(予定) 9月30日(土)10:00~24:00(入場は23:30まで)
入場料:一般 1,100円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料
TEL:03-3475-2121