展覧会特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」が、2019年6月18日(火)から9月23日(月・祝)までの期間、東京国立博物館本館11室にて開催される。
奈良県北東部は、ヤマト政権が都をおいた土地と伝承され、飛鳥時代の政治の中心地「国中」と呼ばれた場所として由緒ある寺が点在している。
特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」では、そんな古代日本の歴史が詰まった場所に位置する岡寺、室生寺、長谷寺、安倍文珠院の4つの寺の貴重な仏像などを展示。日本の仏教文化を伝えるみほとけから、卓越した造形美や当時の信仰の厚みを感じることができる。
飛鳥時代後期から奈良時代にかけて活躍した高僧「義淵僧正」が開いた場所として伝えられる岡寺。国宝「義淵僧正坐像」は、「義淵僧正」の像として伝えられるもの。深く刻まれた皺に深い精神性を感じさせる日本古代高僧像の名作だ。
「こもりくの初瀬」と呼ばれる場所に位置する長谷寺。神々がすまう土地と考えられてきたこの地域には、仏教伝来以降、仏像が安置されるようになっていく。重要文化財「十一面観音菩薩立像」もその中の一つ。奈良時代8世紀初頭につくられた後、消失、再興を繰り返してきた鎌倉時代の長谷寺式十一面觀音菩薩像の優品である。
急峻な山の斜面にたたずむ室生寺。上流部分の渓谷には多くの洞窟が点在し、その中には龍神が棲むと信じられていた。龍神信仰をもとに開かれた寺には、多くの層が訪れ、独自の仏教文化が育まれていく。寺に伝えられる国宝「十一面観音菩薩立像」や「釈迦如来坐像」からは、室生寺の深く豊かな歴史を感じることができる。
645年、左大臣安倍倉梯麻呂が安倍氏の氏寺として建てた安倍文殊院。現在の本尊である文殊菩薩騎獅像は、日本三大文殊の一つ。像内から発見された国宝「文殊菩薩像像内納入品 仏頂尊勝陀羅尼・文殊真言等」には、平安時代末鎌倉時代前期の僧、明遍が、1220年に書写したことが巻末に記されている。
【詳細】
特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」
期間:2019年6月18日(火)~9月23日(月・祝)
会場:東京国立博物館 本館1階11室(彫刻展示室)
住所:東京都台東区上野公園13-9
開館時間:9:30~17:00
※金・土は21:00まで
※9月20日(金)、21日(土)は22:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
※7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館。
※7月16日(火)、9月17日(火)は休館。
入館料:大人620円(520円)、大学生410円(310円)、高校生以下および満18歳未満と満70歳以上無料、9月16日(月・祝)敬老の日は無料。
※総合文化展観覧料、および開催中の特別展観覧券(観覧当日に限る)で観覧可能。
※( )内は20名以上の団体料金。
※子ども(高校生以下および満18歳未満)と一緒に来館した人(子ども1名につき同伴者2名まで)は、団体料金で総合文化展を観覧可能。
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などを提示。
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の人は無料。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳、健康保険証、運転免許証など)を提示。
【問い合わせ先】
03-5777-8600(ハローダイヤル)