2013年1月12日(土)~3月24日(日)の期間、「新井淳一の布 伝統と創生」が東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。新井淳一の60年に及ぶ仕事の全貌を紹介する大規模な個展だ。
新井は織物の町、群馬県桐生市に生まれた。高校を卒業し、家業の織物業に従事する中で、伝統的な布作りとともに、早くから新しい染織に加工を施した布の創作をスタート。新井は自らをテキスタイルプランナーと称している。
その仕事の中で、長い歴史の中で受け継がれてきた民族の手仕事への敬意を表しながら、過去と未来、産業とアート、手わざとテクノロジーといった異なる要素が一つに融合されてきた。国内外の素材メーカーや織物業者、加工業者との連携のもと、糸の開発、染色、織、そして加工を通じて布の多彩なテクスチャーを生み出した新井。ごぼう状のフリンジが織り込まれた量感あるフェルト、伸縮性のある複雑なジャカード織物、裏表でパターンが異なる四重組織の織物など、布作りの既成の枠にとらわれない自由な発想は、1970~80年代、素材の探求を進める三宅一生や川久保玲(コム デ ギャルソン)ら気鋭の日本人デザイナーを魅了し、彼らを世界へ送り出す原動力にもなった。
「新井淳一 進化する布」展での展示風景、群馬県立近代美術館、2005年
展示構成はパリを拠点とする建築家ユニット「Dorell.Ghotmeh.Tane / Architects」の田根剛が担当。第1室で多様な技法による布約30点を展示しながら、素材を探求し続けてきた新井の先鋭的な発想を紹介する。イッセイ ミヤケとのコラボレーションによる布も展示される。第2室では最新作を含めた布約30点を展示、新井の布を体感できる。また、展示室を出たコリドールでは、新井の創造にインスピレーションを与えてきた民族の仕事や、新井自身が世界各地で撮影した写真、新井自身の言葉なども、映像と音で紹介される。
【展覧会情報】
「新井淳一の布 伝統と創生」
ARAI Junichi Tradition and Creation
会期:2013年1月12日(土)~3月24日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿 3-20-2
開館時間:11:00~19:00(金・土は20:00 まで/最終入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、2月10日(日・全館休館日)
入場料:一般 1,000(800)円/大・高生 800(600)円/中・小生 600(400)円
※同時開催「収蔵品展 043 自然の表現」(仮称)、「project N 51 阿部未奈子」の入場料を含む。
※収蔵品展入場券 200円(各種割引無し)もあり。
※( )内は15 名以上の団体料金。その他、閉館の1時間前より半額、65歳以上半額。土・日・祝日の中・小生無料。
※障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。割引の併用および入場料の払い戻しは不可。
TEL:03-5353-0756
URL:http://www.operacity.jp/ag/